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ファイブフォース分析から「やりたいこと」と「やった方がいいこと」を学んでみよう

ビジネスの8割が決まるといわれる「ポジショニング」

いいポジショニングが特定できれば
それだけいいビジネスを展開することができます。


いいポジショニングを設定するためには
いくつか整理しておきたいことがあります。

そこでまず考えたいのが
「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」

起業する目的にもよりますが

この時代だからこそ「やりたいこと」で起業する

ことが動機になっていたりしますよね。


しかしどうでしょうか?

全員が全員やりたいことで起業して
うまくいってるかというと
やっぱりそうじゃなかったりします。


でも。

やりたいことでうまくいっている人もちゃんといます。

その違いはなんなのか。

「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」
をしっかり整理しているかどうか。

これも1つの理由として挙げられます。


ビジネスの目的は「利益を得ること」です。

その大前提を踏まえた上で

「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」を整理しながら
方向性を定めていけば

おのずと成果を上げることができます。


今回は

「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」を整理しながらも
進むべき方向性が明確になるフレームワークをご紹介します。

今回のフレームワークを実行すれば
「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」が整理され
あなたが取るべきポジションが手に入ります。

そのフレームワークが

「ファイブフォース分析」

✅ポジショニングや方向性に少し不安がある
✅ビジネスの方向性を整理したい
✅進むべき道を定めたい
✅改めて方向性を確かめたい

そんな方はぜひご覧ください。




ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、アメリカの経営学者であるマイケル・ポーター氏が提唱した分析方法。

業界全体や、競合の状況や収益構造を明らかにして
自社の利益の上げやすさを分析するフレームワークです。

新規参入や新製品開発や新ブランドの立ち上げ時などに
収益性を検証するのに役立ちます。


完全な独占状態にある業界は別として

ほとんどの企業は競合が存在し
その競争の中でいろんな要素が障壁となり
自社の存在をおびやかしつづけています。

どのような障壁があるのかを知るために
活用されるのがファイブフォース分析です。


ファイブフォース分析を簡単にいうと

ファイブフォース分析を要約すると

「業界全体を見て障壁となることを洗い出して
チャンスのありそうな抜け道を探し出すこと」

です。

自社としてできることを全体を見まわして把握し
可能性を見出していく作業になります。


ファイブフォース分析の目的

ファイブフォース分析の「フォース」とは「脅威(競争要因)」を指します。
自社がさらされている脅威を5つに分類して分析することで
業界の収益構造を明らかにするとともに
自社の競争優位性を探ることを目的とします。

業績の向上や組織の発展のためには現状の環境分析が必要となります。

また、さまざまな施策を打ちつつも、なかなかうまくいかない。
理由は色々と考えられますが

「自社が置かれた業界の動向や周囲の脅威を読み誤っている」

ことが挙げられます。

こんな時に役立つのがファイブフォース分析です。


ファイブフォースの「5」

ここからはファイブフォース分析の対象となる
「5つの脅威」について解説します。

まず大前提として
自社の競争優位性を探って収益性を測るファイブフォース分析では

「競争が激しければ収益性は落ち、競争が限定的なら収益性は上がる」

という考え方が前提にあります。


【ファイブフォース分析の対象】
「5つの脅威」
1. 業界内での競争(競合他社)
2. 業界への新規参入者
3. 代替品
4. 買い手(顧客)
5. 売り手(サプライヤー)

いずれも自社をとりまく外部からの脅威であり
収益に直結する要素であることが共通項目です。

5つの脅威の分析にあたっては
収益性を上下させる要因となる点を掘り下げ


「新規参入で収益性が見込めるのか」

「どこをどうすれば十分な収益性を確保できるか」


が分析でのゴールになります。

分析で明確になった内容から、さらに具体的な戦略へと落とし込んでいきます。


1. 業界内での競争(競合他社)

どんな業界でも競合があれば収益性が下がるのは当然のこと。
そして競合が増えれば増えるほど競争は激しくなっていきます。

その中で競合優位性をもつには
独自性の高い商品サービスを生み出し
他社との差別化を図る必要がでてきます。

競合分析で重要なのは
自社も含めた

「競合の数」
「各社の知名度/ブランド力」
「資金力」

です。

業界全体の規模や成長率も分析対象となります。


2. 業界への新規参入者

当たり前ですが、新規参入がしやすいほど競合も増えることになります。

異業種からの参入のハードルが低ければ
今後も多くの参入者が現れて価格競争が起こり
その度に収益性が下がっていくことになります。

反対に言えば
参入のハードルが高ければ一定以上の収益性を確保できる
魅力的な業界であるともいえます。

業界への新規参入者での分析ポイントは

「市場の規模」
「参入者の技術レベル/ブランド力」

で、自社の活動にどれほどの影響を与えるかを
見極めることが重要となります。


3. 代替品

代替品は、自社の商品サービスに代わる価値をもつものを指します。

「こっちでも買えるからこっちで買おう」
と思われないことが重要になります。

代替品と自社商品との質的な違いやコストの差のほか
代替品へ乗り換える際の手間やコストなどを分析します。

自社の物よりも低価格で高品質な代替品が現れれば
それは自社だけでなく業界全体の収益をおびやかす大きな脅威となります。


4. 買い手(顧客)

消費者や顧客といった買い手と、自社とのあいだにある力関係を指します。
競合が多く価格競争が激しくなれば「買い手市場」となり
自社の収益性は落ちていきます。

市場規模や競合他社の状況とともに
自社製品の値下げ幅も含めた価格設定などがポイントになります。
売り手と買い手の力関係は適切か
無理な値引き競争に陥っていないかなどを確認します。


5. 売り手(サプライヤー)

売り手(サプライヤー)と自社との力関係を示します。
メーカーであれば原材料のサプライヤー
販社であれば卸しを行う企業との関係から収益性を測る部分です。

これは自社と消費者との関係と同じで
同質・同価格の物を扱う売り手が多ければ自社の力は高まりますが
逆になれば売り手が力を持ちます。

市場規模のほか、売り手の数や力関係、供給元を乗り換える際のコストなどがポイントになります。


縦軸と横軸で分析していく

これまで解説したように、5つの脅威について分析するのがこの手法の特徴です。

個別の分析だけでなく、図の横軸・縦軸に沿って分析することで
「業界内での収益の上げやすさ」を検証したり

業界内で「自社がどれほどの利益を手にできるか」の分析も可能です。それぞれについても解説します。


売り手と買い手の分析から業界の収益性を探る

図の横軸となる、自社の売り手と買い手それぞれとの力関係を検証することで、業界内の「利益の上げやすさ」を見ることができます。

横軸はつまり

「誰がコントロールできるのか」

という点にフォーカスを当てています。


市場に競合社が多く、類似した商品サービスが多ければ
「買い手の交渉力」が強まります。

買い手市場であって
買い手が自由に製品やサービスを選択できる状況であり
価格競争などで収益性が下がります。


自社に原料や製品を供給する売り手(サプライヤー)が少ない場合は
「売り手の交渉力」が強まり
売り手市場となります。

そうすると供給を受ける側に選択の余地がなくなり
値下げ交渉がうまくできずやはり収益性が悪くなります。

反対にそれぞれが逆方向に働けば収益性は上がります。
多くの場合は売り手と買い手それぞれの交渉力のバランスによって
収益性の高低が設定され「利益を上げやすい業界かどうか」という評価を決めることになります。


新規参入者や代替品から自社の利益の取り分を探る

図の縦軸を検証すると、業界の収益性の中での「自社の取り分」をどれくらい確保できるかをチェックすることができます。

縦軸はつまり

「業界内の立ち位置」

という点にフォーカスを当てています。

参入障壁が低い業界では
競合他社が撤退したとしても他業種から新たな参入者が登場する可能性が高いです。

競合が入れ替わり登場する可能性があるので、常に激しい競争にさらされることになります。
これでは、業界の収益構造が良好でも、自社の取り分が小さくなってしまいがちです。
その上、自社製品に代わる代替品の脅威が大きいとなれば、自社の利益の取り分はさらに小さくなることが懸念されます。
反対に、参入障壁が高く代替品の脅威が小さければ、安定した利益を見込むことができるでしょう。

この「縦軸の検証」でも、実際には新規参入者・競合・代替品それぞれの状況を読み取り
各要素のバランスによって「十分な利益を見込めるかどうか」を検討することになります。


自社が収益を上げやすい戦略へ結びつける

横軸と縦軸の検証によって業界全体の収益性とその構造を知り
その中で自社の利益を確保しやすいかどうかを分析すれば
競合も含めた業界内での自社の強みを知ることができます。

そこから「収益性の低下を防ぐためにどうするか」
「競争の中でどのような優位性を確保するか」
という発想につなげることができます。

さらに、戦略の立案を行えば
脅威に対して実効性の高い施策をプランニングすることもできるはずです。

こうした分析法はあくまでも手段であって
その目的は具体的なマーケティング戦略や施策立案を行い
売上や利益の向上を実現することです。

分析結果を活かした戦略を立てて実効性を期待できる施策に活かしてこそ
分析の威力が発揮されるということは認識しておきましょう。


分析して整理すると見えてくる

ファイブフォース分析を活用すると

「わざわざ競合が多いところに参入する」

ということがなくなります。

競合が少ない場所であれば収益可能性は一気に高まるので

ビジネスを軌道に乗せやすくなります。


また

「どうしてもその業界に参入したい!」

と思っても、その中で
収益構造を最大化する施策を打つことができるはずです。


業界の競争環境や収益構造を分析するこの手法は
新商品の開発や新事業への参入だけでなく
現状の自社のポジションを把握し改善を図る場合にも効果的です。

脅威を必要以上に恐れるのではなく
その本質を知った上で冷静な対策へと結びつけることができるからです。

「がんばってはいるが、思うような展開にならない」

というのは、ビジネスではよくある場面です。
そのような時にもファイブフォース分析を活用して

まわりを取り巻く環境から分析して
自社のポジションを明らかにしていくと

成果を上げるための施策を打ちやすくなっていきます。



ここで、もうおわかりの方もいるかと思いますが

ファイブフォース分析を踏まえて

「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」が整理できるようになります。


「やりたいこと」をやらない方がいいという話ではなく

自社の収益化に向けて取り組むべき施策として

「やったほうがいいこと」を明確にして収益化につなげる。

この考え方もとても大事になってきます。


あなたのビジネスも

「やりたいこと」と「やったほうがいいこと」を整理して

ぜひ収益化の確度を高めて

ビジネスを加速化させて見てください。

ファイブフォース分析はそれを可能にしてくれます。


少しでもあなたのビジネスのお役立てができれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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