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金曜日の夜だったからこそ

俗に華金と呼ばれる金曜日の夜は翌日の朝のことを気にしなくて良いからと、ここぞとばかりに夜な夜な街に繰り出す人が多い。確かに僕自身入社した後しばらくは色んな予定を入れていたけれど、気がついたら最近は金曜の夜ほど予定が入っておらず、ゆっくり自分を整える時間に使うことが多くなっている気がする。

そして今日もそんな金曜日の夜。今日は更にもってとても素敵な時間を過ごすことができたのでご紹介。今日ご紹介するのは表参道の本通りから一本入った先にあるMedicha.

Medichaは端的に言うと、メディテーションを体験できる空間。事前の準備は何もいらず、予約をして、後は時間になったら表参道に向かうだけ。

Medichaを体験

今日は金曜日の夜のセッションだったこともあり、表参道の駅に着くと大きな笑い声といそいそと改札を出入りするエネルギーに溢れた人たちが沢山。ああ、世間の金曜日の夜だなぁ、なんて思いながらA5番出口を出て、事前に調べていた地図に沿って進む。大松稲荷神社を横目に一本道を入ると、途端に高級ブランドが整然と並び、喧騒から離れたシックな雰囲気に。そんな静けさに身を慣らしながら進むこと2-3分。Medichaの文字が書かれた壁と地下に進む階段が見えてくる。

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階段を降りきったところで靴を脱ぎ、受付を済ませ、荷物をロッカーへ。このときに携帯も、時計もすべて仕舞い、勧められた通りに靴下も脱ぎ、準備が整ったところでメディテーションルームへ。最初にスタッフの方から簡単にプログラム全体の流れの説明があり、自分の神経への集中力を高めるきっかけとする為にアロマオイルを一滴手首に落とし、次の部屋へ。ちなみにこのアロマオイルが後々とても良い仕事をすることになる。

Tune In&Open Up 明暗二つの部屋

ここから30分間は2つの部屋を自由に好きなタイミングで、好きなだけ行き来することができる。どちらの部屋から入ってもいいのだけれど、僕がたまたま最初に選んだのは、暗い方の部屋。この部屋にはあの通称”人を駄目にするクッション”が並んでいて、まるで星空の様に天井に散りばめられた点いたり消えたりを一定の法則に従って繰り返している。そんな空間の中、流れる音楽に身を委ねながら、手首から香るアロマの匂いをふかーーーーく吸って、呼吸を整え、ひたすらリラックスをする。とは言え仕事帰りの金曜日の夜、色んな雑念は浮かんでくるし、初めての空間で初めての体験。色々と観察もしたくなるし、もう一つの部屋も気になってくる。

完全に意識が覚醒したな、と思ったところでやにわに立ち上がり、隣の部屋へ。明るい部屋と聞いていたから、自分の姿が見えるぐらいの間接照明があるリラックスできる感じの部屋かな、と思って扉を開けると・・・そこは一瞬永遠と続くと思われる真っ白な部屋。映画マトリックスで、ネオがモーフィアスからマトリックスの世界の説明を受ける白い空間の様と言ったらイメージしやすいだろうか。さっきまでリラックスして、弛緩していたあらゆる感覚がブワッと開く感覚に見舞われながら、なぜか一気にテンションが高まる。(今回のセッションはたまたま一人で体験できていて、あまりのテンションの上がり方に、一人で良かったと思った瞬間。)

一通りテンションの高まりを楽しんでいると、ふと我に返り、落ち着け、と自分に語りかける。そして実際に落ち着きを求めて最初の暗い部屋へ。そこでまたアロマの匂いを深く吸って、弛緩。集中力が切れたら、明るい部屋でウキウキ。深く吸って、弛緩。ウキウキ。弛緩。弛緩。弛緩。気がついたら暗い部屋にいる時間が長くなり、油断を仕切った頃に、最初のメディテーションルームへ向かうようにアナウンスが流れる。いつの間にか30分が過ぎていたようで、次は30分間のメディテーションへ。

Shift ガイドに従ってメディテーション

メディテーションのセッションは好きなパターンのスロットを選んで予約するようになっている。今回は時間枠を優先で選んでいるが、”音”に集中をするセッションの英語版。英語のガイダンスに沿って、自分の身体のあらゆる感覚に一度神経を向けた後に聴覚に集中をする。流れる音に耳を傾けつつ、最初は飛び交う雑念を振り払おう、振り払おうとしていたものの、気がついたら夢を見ているときの様に色んなイメージや映像が頭の中で流れ始め、ダメだ、頭を空っぽに、頭を空っぽに、頭を・・・「終了です。ゆっくり息を吸ってください。」の一言でふと我に返る。いつの間にかまた時間が過ぎていたみたいだ。すごく気が散っていた様な気もするし、すごく集中していた気もする不思議な感覚を覚えながら、ややぼーっとする頭で案内されるままに最後の部屋へ。

Align お茶とお線香で身と心を整える

最後の部屋に入ると、最初に好きな茶器を選んで、席に座る。お線香に灯をつけて、線香立てへ。そして、小さな瓶にほうじ茶のお茶っ葉を入れて、お茶を入れる。灯をつけたお線香をじっと眺めていると、お線香が呼吸をしているのがわかる。生き物じゃなくても呼吸をするんだな、お線香が少しずつ燃えていくのを眺めるのなんて初めてかも。などと思いながら、選んだ茶器にお茶を注ぎ、一服。香りを深く吸い込みながら、熱いお茶を口に含むと、少量なのに一気に喉が潤うのを感じる。お茶ってこんなに美味しくて、喉を潤してくれるんだ。これは、古代の中国で薬の代わりとされていたのもわかるかも、なんてことを思いながら、お茶を飲み干し、お線香が最後まで燃え尽きたらセッション終了。何時間もその場にいたような感覚を味わいながら、身支度を済ませ出口へ。この間、時計も携帯もまったく気にならず、今が何時かもわからないし、何時でもいいや、という”今”と向き合っている状態にいることがわかる。ただただ自分と向き合う、なんて贅沢な時間だったんだろう。

終わりに

いわゆるメディテーションは体験したこともなく、中学生で体験をした座禅もなかなか集中ができずに、意図的に自分に集中する、という行為をあまり得意にしていなかった中、飛び込んでみた今回の体験。どことなく茶道でお点前をしているときやEGAKUで描いてるときのゾーンに入ったときに得る感覚と同じ様な、時の流れが緩やかになり、世界から音が消え、頭から思考が消え、”今この瞬間”を生きている、そんな感覚を体験できた時間。忙しい毎日の中で、ストレスの発散に飲み会に行くのもいいけれど、同じお金と時間を自分の為だけに使ってあげる、そんな日もあってもいいのかなと思えた体験。特に今晩は、金曜日の夜だったからこそ、とても深く深くリラックスをすることが出来た気がする。


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