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若い保育士たちの想いと園長の想い

東京の下町で、2回連続の保育士研修の2回目。

前回の帰り際に、
地方出身の園長先生が、
自然の中での保育はここではできないのよ
とつぶやいておられたのが印象的でした。

2回目の今回は、
まずゆっくり保育環境を見せていただき、
保育を観察させていただきました。

株式会社で新しく開園した園でした。
とてもきれいで、配慮が行き届いていて、
素敵な保育士さんが揃っている園でした。
でも、子どもの声が騒音にならないようにと窓は開けられず、
風は通りません。すべて空調で調整。
公園で遊ぶことはあっても、広い園庭はなく、
なかなか外遊びもできません。
夜になっても煌々と電気がつき、
非常に現代的な保育園でもありました。

何とかもっと自由にもっと自然にできないものか
という話を園長さんとゆっくりお話しして、
園長先生がいろいろな工夫をしていることをうかがいました。
とてもよく考えておられる先生でした。
でも
「私がいろいろ提案して工夫を求めるから、
 保育士たちは迷惑と感じていると思うわ」
 とおっしゃいました。
「保護者の理解も得られない」
「会社の方針もある」と。

さて、研修が始まり、しばらく話した後で、
参加していた若い保育士さん、看護師さん、栄養士さんたちに、
一人一人感想を聞いてみることにしました。

「私は宮城県出身で、今うかがったような自然のあふれる環境で育ちました」
「看護の立場からは、子どもたちがもっと自然の中で生活できる環境が必要だといつも思っています」
「栄養の立場から、今の子どもたちの育ちが心配なんです」
「北海道の出身です。石川の出身です。・・・・・・
 上京して、保育学校に入って、就職して、
 東京の子育てはこんなふうなんだとあきらめていました。
 自分は全く違う環境で育ちました。
 自分が体験したような経験を
 子どもたちに与えたいといつも思っていました」
 ・・・・・・・・

園長先生、聞きました? 
知っていました?みんなの気持ち。
難しいけれど、
体験を持っている皆と一緒だったらできるかもしれませんね。

そうなんですね。そうですね。

若い保育士さんたちが研修が終わった後で、
子どもの頃の思い出話をなごやかに話し続けていました。
それを近くで園長先生と一緒に聞きながら、
これから何ができるか、考えてみませんか。
みんな、思いは一緒のようですよ、と声をかけました。

保育室に観葉植物を入れてみたり、
雑巾がけをしてみたり、
ベランダで何かを育ててみたり。
そんな小さなところから少しずつでも。
きっと保護者の中にも、
味方になって下さる方がいるはず。

工夫してみたいです、何とかしてみたいです。
園長先生はおっしゃってくださいました。
また、お会いしましょう。
何かお手伝いできることがあったら、どうぞお声がけください、
と約束して、帰りました。

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#自然保育  

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