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今日の生活のどこにデモクラシーがあったかなぁ?

日本初!!
対面でのデモクラシーフェスティバルが2023年10月28日に開催されました。
カバー写真の左で手を上げているのが、私♪ 
講演、のはずなんですけど、みんな、対話に夢中(笑)。

北欧各国等で、「戸外で」(これ大事だと思います)、ときに10万人の参加があるというデモフェス。自分たちのことを対話で決めることの大事さ、楽しさを知る人たちが集まる大きなイベントです。こちらのサイトで雰囲気がわかると思います。


今回、対面の初開催ということで、申込者100人という規模でした。
(すべてボランティアによる開催。関係者の皆さん、お疲れさまでした)

私の講演は、「デモフェスでデモクラティックな子育てを考えよう」と題しました。日本の子育てや教育の現状と社会的マルトリートメント、自分の人権と乳児や子どもの人権、対話、デモクラシーをつなげてお話しさせていただき、参加の皆さんに考え、対話していただきました。

講演ということでしたが、デモフェスの基本ルールに従って、3分の1以上は対話の時間にしました。対話やデモクラシーの感覚が実感できる場を会場の閉鎖空間で作るのは難しいなあと思いながら、でも、それぞれの方に楽しんでいただけたのではないかと思います。多くの方に、よかったって言っていただけて良かったです。

デモフェスは、いつかフジロック(11万人)みたいに、家族や友人同士や恋人同士で参加する大きな祭典になります!(予定)。
だから、昨日参加した人たちは、記念碑的な会に参加したわけです!

2020年に初めてデモフェスを知ったときには、私がここで講演するなんて、夢にも思いませんでした。オンラインだからちょっとのぞいてみよう、から始まって、何だかこれは面白いと思い始め、いろいろな人と知り合い、去年はブースを出して、昨日に至りました。初の対面の全体対象の講演会に呼んでいただけるなんて光栄です!!!

      こちらは、2022年のブースを出した時の案内です。

【11月26日20:00-21:30位 オンライン   高齢者の外出を可能にするCycling Without Age...

Posted by 武田 信子 on Tuesday, November 22, 2022


さて、私の今後の課題は、
1)デモクラチ(デンマーク語の、デンマーク文化の中のデモクラシー)をデンマーク市民のように身体感覚にまで落とし込む。
2)デモクラチと民主主義の違いを、自分の言葉で人に説明できるようになる。
の2つです。
・・・デモクラチということばは説明できると思うのです。
 でも、むしろ日本人の考えている民主主義を、そこちょっとどうかな、と突っ込んで、違いを理解してもらえるように話すのが難しそうです。
 そもそも、デモクラチは教えるものではなくて、日常生活の中で身につけていくものですけれど、きっとみんな最初は「教えて」になるでしょうし。

今のところの理解では、
デモクラチは、何かを決めるときに、必ず人と人との間に存在する対立を超えてお互いの尊重と理解のもとに物事を決めようとすること、だと思っています。だから、多数決のような横暴な方法は取らずに、対話のプロセスを大事にして、むしろマイノリティの意見を最大限に尊重し、その考え方を皆で理解した上での決定を求める努力をするのだと思います。そして、それが全体の利益となるのだという感覚を、そこにいる人たちが共有していること、がなによりも大切なのです。この最後の部分が、たぶん、とても重要なのだと思います。

(例えば、不登校の子どもがクラスに一人いるとします。その子はマイノリティです。そうしたら、その子どもの言いたいことを尊重して理解しようとして取り入れて、学級運営を考えていこうと努力すること、それが他の子どもたちにとってもいいことだとみんなが思えていること、これがデモクラチの感覚なのではないかと思います。もちろん、その子がクラスに戻ることがいいこと、と最初から決まっているわけではないのです。その一人の子のことを大切にするという感覚、それが自分たちにとっても大切なことなのだという感覚、デモクラチとはそういうことではないかと)

そして、デンマークでは、どうやら、さらに、「特に何か大きなことを決めるとき」だけでなく、日常生活の中で、人(生まれたばかりの赤ちゃんでも)と出会っているときのありかたのようなのです。相手の尊厳を尊重し、丁寧に対話し、理解しようとすることが、日々の生活の中で大切だと考えられているようです。今、何をするか、ということは何をして何をしないかを選択するということですが、その一つ一つの選択、決定において、デモクラチが大事だ、と言っているようなのです。

だから、講演では、「言葉のない赤ちゃんとの対話の練習(0-1歳)、少し大きくなって、言葉が使いこなせるようになってきたばかりの自己主張の強い赤ちゃん〈2—3歳〉との対話の練習を積み重ねることで、私自身のデモクラシーの感覚が育つ」という話をさせていただきました。日々、孫との生活の中で、感じているからです。難しいです(笑)。いわゆる反抗期(自己主張機と私は読んでいるのですが)の赤ちゃんとは、よくてディベート、不毛なディスカッション、ついには感情的な喧嘩か、お互いへのハラスメントになりがちですので。(単に、赤ちゃんの言うなりになるということではないです。念のため)

そしてさらに、(ここは講演の時点では気づいていなくて、今、この文章を書きながら、やっと気づいてきたのですが)そこでなされる決定が、お互い、あるいは家族にとってとても大事で、そこでこそ私「たち」のウェルビーイングが成立する、という感覚を「赤ちゃんにも伝えていくこと」。これが大事なのではないか、と思います。

<まだまだ勉強不足で、この私の理解が、デンマークの人たちの考えるデモクラチと合致しているかどうか、私には不明です。とりあえず、今の私にとって大事だなと思うところを書いておきます>

さて、私は、世界各国で学んだいろいろな新しい言葉や概念を、私なりに日本に伝えようとしてきました。特に滞在日数の多かった3つの国、カナダ→オランダ→デンマークで、私が学んだ言葉の中から少しずつ日本に伝わってきているものを改めて挙げてみたいと思います。

ウェルビーイング、コミュニティ、ダイバーシティ、インクルージョン、アドボカシー、エンパワメント(ディスエンパワメント)、マルトリートメント、オートノミー、リフレクション、ダイアローグ、デモクラシー。

生活・文化に裏書された言葉の存在が、その国の形を決めていくように思います。だから、日本にその言葉が「ある」ことがまずは大事なのです。

デモクラシー(デモクラチ)という言葉を日常に。

一日一回、今日の生活のどこにデモクラシーがあったかなあ、どこで欠けていたかなあと自分に聞いてみることから始めていきたいと思います。

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