見出し画像

素手の抱っこで感じる新生児・乳児発達の変化

1月末から孫のベビーシッターに頻繁に入っています。
3カ月、日々抱っこの仕方が変わりました。
(Facebook「寄ってたかって子育て」2024年5月2日の投稿の再掲です)

これまで写真で見ていた抱っこや他の人の抱っこの仕方を、あれ?ちょっと違うと思っていたのが、週数によって、その抱っこの方がいい感じになったりするのです。

つまり、新生児期の抱っこを含む乳児の抱っこというのは、赤ちゃんの身体の大きさや体幹の安定、手足の動きなどによって、ケアギバーの方が微妙に変化させていかなければならないものなのです。この赤ちゃんのこの時期にはこの抱っこがいい、という感じなのです。

だから、ある雑誌の編集者とやり取りをしていて、これはこうなんです、と説明しても、他のプロの方と違ったりすることが起きていて、編集者の方は、みんな違うことを言う、と困っておられたのだということがわかってきました。

それを私は最初、人によっていいと信じているやり方が違うのかな、と思っていたのですが、そうではなくて、

1)週数による違いがとても大きくて、

2)それからその子どもの心身の安定や状態による違いが加わり、

3)さらにケアギバーの体形や身体の使い方によっても違う、

4)同時に、抱っこは赤ちゃんとケアギバーの共同作業なので、両方の身体の使い方の交互作用によって、良い形ができる

ということがはっきりとわかりました。ただ、そのことに気が付いている人が少ないということもわかりました。みんな「赤ちゃん」と一括りにしているのです。

そんなに微妙に違うことを、「この抱っこがいい」というふうに切り取って言うのはとても難しいことです。(そして、普通の子育てにおいては、そのような微妙なことを意識する必要はないし、意識しすぎることは弊害を生むでしょう)

素手の抱っこが必要なのは、そういう日々の赤ちゃんの変化に対応するためです。素手でなければできないからなのだ、と今ははっきりと言えます。

薄い布を使った場合でも、素手の抱っこは調節ができます。

でも、ストラクチャータイプ(固定してしまうタイプ)ではそれができませんし、両手を離して赤ちゃんの身体にいい抱っこができるわけもありません。

抱っこ布団を使った抱っこに違和感があったのも、抱っこ布団が私が素手の感覚を調整するためにはぶ厚すぎるからです(でも初心者は抱っこ布団があった方が安定して良かったりもするようです)。

インドネシアのカインゲンドンという抱っこ紐が好きなのは、カインゲンドンがとても薄くて、微妙な調節ができるからです。

南米の高原地帯の厚めの布(気候が涼しいからでしょうか)になると、その調整がちょっと難しくなるように思います。南米の布を扱うならば、南米ではどういう抱っこをしてどういう抱っこ紐の使い方をしているかを知る必要があると思います。

つまり、その地域や気候、生活様式によって、適切なだっこや抱っこ紐(布)が変わるということです。

ストーリーズに流れてくる世界各国の赤ちゃんの抱っこやおんぶを見ていると、森の中で育っているこの赤ちゃんならば多少乱暴な扱いをしても大丈夫、とか、日本の狭い家の中で丁寧に育てられている赤ちゃんの場合は、この辺に気を付けないと、とかそういうことも感じています。

なぜこんなことを私が書けるのか、と不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。エビデンスはあるのか?とか・・。

実は、昔取った杵柄というか、私は10代から20代にかけて合気道や鹿島神流の武術、器械体操(とそれに伴う歩き方や呼吸、重心移動のトレーニングなど何らかの運動をほぼ毎日やっていました。無茶苦茶運動音痴だったので、さっとできてしまう人よりもたくさんの練習が必要で、いろいろ工夫したのです。今はもうできませんが、当時取った黒帯は、二段です)をやっていたり、竹内レッスンをされたりしたり、指圧を受けたり、瞑想をしたりしていたので、身体の微妙な動きに敏感なのです。それで人の少しの身体のゆがみなども、見ていて感じることができるのです(この人、今、ここに力が入っているな、とかそういうこと)。

当時はまさか、そんなことが赤ちゃん育てに役立つとは思っていなかったのですが、今とても役に立っています。

あかちゃんを育てるのは素手が基本。

なんでも物に頼る時代ですが、生物としての人間の感覚を大人側が大切に持ち続けること、そのためにできることは何かを考えていくことが必要なのだと確信しています。言語化の難しいところですが、何とか伝えられることを伝えていきたいと思います。


コメント① 
親子の組み合わせで その時のお互いの体調で変わるもの。だからこうする、っていう方法のみが伝わると しっくりこなくて悩んでいるのが現状です。

それと いろんなだっこを経験すると赤ちゃんは それにあわせた所作を覚えていくことも大切だと思っています。

どの抱っこでも抱くときに注意したいことは一緒で

頭大事に、からだの軸はまっすぐ(正中位)に、肩は前に(おてて同士が遊べるように)左右対称で、

足はあぐら(に近い感じ)、骨盤後傾は守りたいです。

そして体を自分で動かせるようになるにつれて、上半身の支えは本人にお任せして、下半身を抱く人は守る感じになっていくなあと感じています。

武田より返信コメント)それから首が後傾しないこと。これ、すご~く多いです。腕に首を乗っけてしまうと、頭ががくって後ろに落ちるんですよね。なんとかそれに見慣れて見過ごしてしまわないようになってほしいです。高校生のふれあい体験などでも、注意してほしいなあと思う点の一つです。

そうですね。私が説明するときは、からだとパーツのつなぎ目を支えるっていってます。そうすると、20人いてもすべての人が頭そらないように抱っこしています。

コメント②

娘が臨月。まもなく、久々に赤ちゃんを抱っこする日がくるのだなぁ、と楽しみに思いつつ、まずは、無事出産を願っている今ですㅤ

児童館勤務の経験もあるので、たくさんの赤ちゃんをこの手で抱っこしてきました。抱っこといっても、赤ちゃんによって本当に違いました。

抱っこは赤ちゃんとの共同作業であり、互いの信頼関係を築いていく営みだったなぁと、振り返って思います。

また、私自身の「初抱っこ」の相手は娘でした。

それこそ、今思えば、下手な抱っこからでした。娘も、さぞかし抱かれにくかったことでしょう!それでも抱っこさせてもらいながら、だんだんと互いがしっくりくる抱っこを見つけていっていた気がします。

まもなく抱っこできるであろう孫とも、新たな共同作業やってみます。

そして、初めて母になる娘には、娘なりの考えもあるでしょうから

口は出さず、背中を見せて、娘なりに考えてもらえたらいいなぁ、と思います。抱っこ、奥深いですね

コメント③ 武田信子

クーヨンで吉田敦子さんが、抱っこで横にゆっくり揺らす方法を紹介して下さっているんですが、その格好での左右への重心の移動は、スクワットやカニの横歩きに近い感覚があって、新生児のまだ軽い時期にはちょうどいいのだけれど、一か月半、2カ月位を超えて重く大きくなってくると結構大変なんです。単調ですしね。

そのときは足を前後にずらして開いて、片足を固定して、反対の足を前後にステップを踏むようにした方が楽。これって本当に対象の赤ちゃんの重さや、ケアギバーの身体の状態によって違って、右足と左足でもやりやすい方があったりもするんです。

そうして揺らすときに歌う歌も、一番ゆったりとしたぞうさん⇒少し早めのぶらんこ⇒から段々軽快な音楽がよくなってきたりするんですよね(笑)。あ、歌はあった方がいいです。リズムが安定するし、親がその方が落ち着く(少なくとも私はあった方がいいなあ)

コメント④
なんだか、朝からすごく頷いてしまいました。私は2人目の子(7ヶ月)をお世話していて、いまだに抱っこの苦手意識が消えない人です。いろんな助言やお手本をいただいていて、お恥ずかしいのですが…

頷いたというのは大きく2つ。

ひとつは、「ケアギバーの方が微妙に変化させて」のところ。

しばらく息子の抱っこや寝かしつけをしていなかった夫に、「新生児の時はそれでよかった(寝れた)かもしれんけど、いまは違うよ」と心の中で思っても、説明しにくくて言葉になりませんでした。

赤ちゃんの変化って、伝えにくいですね。

そして、「生物としての人間の感覚を大人側が大切に持ち続けること」。

母親になって思うこと。自分の感覚、身体の辛さに鈍感になっていると、感じます。幼稚園や学校で求められる体育座り(みんな同じ姿勢を一定時間しなきゃいけない)は、介護の現場でいう身体拘束だなと。

きついのに、この姿勢をしなきゃいけない…し続けるためには自分の感覚を鈍らせないといけない。そんな日常は子どもからなるべく遠ざけたいなと、0歳、5歳の子を育てていて思うのです。

#赤ちゃん #抱っこ #新生児 #発達 #子育て
#一般社団法人ジェイス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?