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サーカスの馬 安岡章太郎

40年くらい前の教科書に載っていた「サーカスの馬」

と思って検索したら
今でも掲載している教科書があるようで
ずいぶんいろいろな「よみ」があった。


「まぁいいやどうだって」というのが口癖の
勉強もやる気がなくて よく叱られ
クラスの仲間たちとも、そんなに親しみも感じていない少年が

サーカスのテントの裏につながれている背中が湾曲した馬に
なんとなく自分を重ねてみる という話である。

たまたまそのサーカスに入ったら
その馬が、サーカスの花形であることがわかる。
びっくりしたが最後はその馬に拍手している自分に気づく という話だ。

何も取り柄がないと思っていた少年が
自分にも取り柄があるかもしれないと励まされる

と指導書にも書いてあったような。

そうかもしれないけどそんな簡単なモノかと思った記憶はある。


とりあえず
そういう作品を読んだ後は
「まぁいいやどうだって」ということばが 
何度も飛び交うことになるのであった。


年齢を重ねるにつれ
まぁいいやどうだって と思う事も増えている私である。
あの小説の少年が抱えていた
無力感とか疎外感とか
頑張れなさとか そういう鬱屈としたものは
むしろ
老人性うつのものではないか と思ったりする。

まぁ、鬱の人はみんな大なり小なり抱えているのかもしれないが。



もはや神をも遠巻き

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