マンボウ最後の家族旅行
「どくとるマンボウ」のシリーズは昔よく読んだのだが
ふと思い出して最後の作品を読んでみたいと思った。
大腿骨を骨折して入院し、
リハビリをものすごく頑張って退院して、歩けるようになった。
そうしたら今度は肺炎で入院。
80歳くらいの時だから
大腿骨骨折から歩けるようになるなんてすばらしい。
娘さんが鬼のように厳しくリハビリさせていたという。
誤嚥性肺炎を防ぐための口をあけたり発生させたり。
少しは階段も登れるように歩くことも。
そして、ハワイ行くから、とか
スキーに行くから とか
伊豆に予約したから と連れまわすのである。
そうして宿泊先ではだいたい横になっていて
唯一マッサージが気持ちよかったという。
ハワイでは、例の「この木何の木」の木を見たことが
一番良かったという。
そんな話の合間に
父、斎藤茂吉のこととか、
自分が躁うつ病だった時の事や
昔のことなどを語るのである。
そのヘタレ具合が何とも言えず「老いの真実か」などと思わせたり
本人も言う通り、「昔のことはよく覚えている」と思わせたり。
話の中には、同世代の文学者も登場している。
2011年に亡くなったそうだ。
奥さんからの聞き書きが載っていたが
10歳年下の奥さんは、特に躁状態の時は苦労したと思う。
入院したが、当面は大丈夫と言われ、
帰ったらその晩急変して亡くなったそうだ。
入院先の医師は、斎藤茂吉も北杜夫もわかっていなさそうだったという。
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