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【山笠記事5】津屋崎祇園山笠の現代の役割って??②

みなさん、こんにちは。津屋崎祇園山笠振興会です。

本日(7月19日)はいよいよ祇園祭となりました。
津屋崎祇園山笠は、19日に近い日曜日に、追い山を行います。
今年はたまたま19日と日曜日が同じ日なので、本来であれば本日が追い山です。

追い山の奉納は、コロナウィルス感染拡大の影響で、来夏へ延期となっております。
誠に残念ですが、この機会に津屋崎祇園山笠のことを知っていただこうと、5本の記事を投稿しております。
本記事が最後の記事です。お時間あるときに【山笠記事1 はじめに】からお読みいただけますと幸いです。

また、本記事は4本目の記事とセットになっておりますので、
まずは【山笠記事4 津屋崎祇園山笠の現代の役割って??①】をお読みください。


さて、私たちの世代は、神社にお参りに行く機会も少ないですし、お家の中に神棚が無いことは普通。

柴や榊を代えるなんてことも、おばあちゃんの家に行かないと目にしない世の中となりました。

そんな現代において、神様を奉る山笠の役割って何なのでしょうか?

1, 津屋崎祇園山笠を通して何が起きているか?

運営の中心にいる私たちが書き連ねると美化してしまいますし、あまり説得力がありません。
この2年だけではありますが、アンケートを取っておりますので、まずはこちらを御覧ください。

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30代男性 移住
<参加したきっかけ・年数>
・参加したきっかけは知り合いに誘っていただいてからです。
・出れなかった年もありますが、今回で4回目となります。

<参加してよかったこと>
・地域の人とのつながりができるのが一番大きいと思います。

<山笠の役割>
子供から年配の方まで年齢を超えた人と人とのつながりができるのが大きな役割ではないかと思います。
個人的な話ですが、子供ができて親だけでの子育てに限界を感じます。子供を育てようと思うと、父母だけだととても大変で、祖父母の手が必要だし、地域の人の力があればもっと子供にとって良いと思います。しかし実際、人とつながりが希薄になっている今の世の中、地域の人とのつながりといってもなかなか関係性を作る機会も乏しいかと思います。
そんな中で山笠はいろいろな人とつながりができるいい機会だと思います。

30代男性 東京在住
<参加したきっかけ・年数>
三百年記念誌の作成にあたって、カメラマンとして参加させてもらったことがきっかけです。記録で入っていた新町流の方々に良くしていただいて「来年は舁き手としてどう?」と誘って下さり、翌年から舁き手として参加しました。
(参加年数:3年目)

〈参加してよかったこと・感じる山笠の役割〉
年に一回でも、受け入れてくれる場所がある、人がいるということは、自分にとっては支えのひとつになっています。「行かなくちゃ!」と思わせる魅力が山笠にはあると感じます。
世代を超えて地域みんなで取り組める数少ない、地域を一つにまとめる「仕組み」であり「よりどころ」であるかなと感じています。

30代男性 移住者
<参加したきっかけ・年数>
関東出身で福岡の山笠文化は全く知らなかった私ですが、方々で「山笠に参加してはじめて津屋崎の人になる」という言葉を聞いて飛び込んだのがきっかけです。参加して2.3年は知り合いもほとんどおらず、準備の仕方も山笠の舁き方も何も知らなかったのでただただ大変でした。初参加から3年目、流れがひと通り分かり知り合いも増え、「自分は流の一員として山笠を動かしている」という感覚になることができました。
参加年数:2010年から9回参加

〈参加してよかったこと・感じる山笠の役割〉
1tもの塊を協力して舁き廻る充実感、カンカン照りの中で片付けが終わった後の直会のビールのおいしさ、山笠を通してつながりができること、よかったことは多くありますが、私にとっての一番は山笠を通してこのまちで生きていると感じられることだと思います。生まれてすぐに父親に抱えられながら山笠を見て、小学校に上がったころに先走りをして、男子は中学を出た頃に棒につき、経験を重ねて責任ある立場を任され、前線を退いてからは次の世代を育てる立場になる。毎年の山笠で見る光景の1つひとつはこの祭りに参加する人の人生の縮図であり、このまちの営みの縮図であり、300年繰り返し行われてきたことだと思うと、移住者である自分も山笠に参加することでこの営みの一部になれるのだと感じることができます。

・40代・男性 移住8年目 さむらいぱぱ
【参加したきっかけ】
2年前に長男が小学校3年生当時にこども山笠に参加し、大人の山笠に参加するようになったことがきっかけで、親の私も参加してみることにしました。

【参加してよかったこと・感じる山笠の役割】
私は子供の付き添いでしたが子供以上に目を輝かせて
山笠を担ぐ大人達に衝撃を受け自分も参加してみたいと思いました。
昨年度は山笠直前に仕事で異動となり参加が叶わずようやく今年2年越しの想いがかない参加することができました。
大雨の影響で裸参りは大幅に縮小され気持ちを折られましたが本番はなにか
わからないままに裸になり、締込みをしめ、2番棒だと言われ、山笠を担ぎ、怒鳴られ、
水をかけられ、あっという間に終わってしまいました。
子供が参加するのは実質2日間ですが大人は7月に入り約20日間みっちり
山笠に関わっておられて、所謂「山のぼせ」で実に楽しそうにしているのが
非常に印象的でした。
また長男は3回目の参加になりますが親や先生以外の大人と接することにより
多様性を学ぶ貴重な機会となっていると感じています。
私自身は津屋崎に縁がない中で移住してきました。
今まで子供の幼稚園、小学校の父兄の方々と子供を通じての関係で繋がりができ
地域に関わっていましたが一個人として地域に関われる機会を得ることができる
山笠はまた異なるアプローチで地域に根付くきっかけとなるものであり私自身も
次世代に継承する一翼を担っていきたいと思います。(40代・男性)

**・30代 男性 移住4年目 **
【参加したきっかけ】
以前務めていた会社が山笠に参加しており、地域とのかかわりをつくっていきたいと思い、移り住んで1年目から参加しました。 (参加4年目)

【参加してよかったこと・感じる山笠の役割】
・参加してよかったこと
山笠を通じて、普段出会えない津屋崎地域の方々をはじめ、山笠に関係する人達と親交を深めることができたこと。また、準備の段階から追い山まで参加することで、山笠の歴史をはじめ津屋崎のことを知ることができ、地域への理解や知見が拡がりました。同時に山を作る過程や追い山への参加の中で、様々な技術や技法を学ぶことができ、生きる幅が拡がりました。
・山笠の役割  山笠の役割として、山笠を通じて人と人とをつなぎ、各流れ等で関わる人たちとの連帯感を醸成していく事ができると思います。また、山笠へのこども達の参加・世話人などの仕組みなどを通じて山笠の中で技術や知見を学び、人としての成長する機会にもなると考えます。  津屋崎地域は山笠が続いていることで地元の方だけでなく、他所から移り住んで来たり、津屋崎地域外に住んでいても関わる人たちが生まれ、まちに対する意識が涵養されていると思います。

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読むことが大変だったかもしれませんが、生の声です。

少しまとめてみます。

・山笠は、人と人をつなげる仕組みである。
・山笠は、地域を一つにまとめる「仕組み」であり「よりどころ」である。
・移住者も山笠に参加することでこの町の営みの一部になれる。
・小学校の父兄の方々と子供を通じての関係で繋がりができ地域に関わっていましたが、一個人として地域に関われる機会を得ることができる山笠はまた異なるアプローチで地域に根付くきっかけである。
・山笠へのこども達の参加・世話人などの仕組みなどを通じて山笠の中で技術や知見を学び、人としての成長する機会にもなる。
・津屋崎地域は山笠が続いていることで地元の方だけでなく、他所から移り住んで来たり、津屋崎地域外に住んでいても関わる人たちが生まれ、まちに対する意識が涵養されている。

といったところでしょうか。
このような感想を持っていただき、本当に嬉しく思います。

余計かもしれませんが、これに私たち振興会の考えも一つだけ付け加えさせてください。

・山笠は、私たちの楽しみである。

色々語ると美化してしまいそうになりますが、
これだけは間違いなく淀みなく心から言えます。山笠は私たちの楽しみなのです。

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山笠を通して、人がつながり、役割を持って一所懸命に協力し、ともに笑い、そしてここが居場所の一つとなっていく。
ここで生まれた関係は、その年の山笠が終わっても続き、人生を通したつながりとなっていくのです。

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みなさん、無病息災、健やかで元気であるとは、どんなことを指すでしょうか。

病にかからないこと、コロナウィルスに感染しないことでしょうか。
もちろんこれらも大切です。

しかし、本当の無病息災とは、健やかであるとは、
仲間がおり、役割があり、誰かのために全力になれる機会があり、楽しみがある、ということではないでしょうか。

他にも様々あるのかもしれません。

ですが、私たちの津屋崎祇園山笠では、このようなことが起こり、関わる方々の人生を豊かにしています。その自負と誇りがあります。

「伝統文化だから続けている。」いえ、違うのです。

私たちは、続けずにはいられないのです。
こんなに楽しく、価値があると感じることを続けない理由がないのです。

2,今年も私たち津屋崎祇園山笠振興会は、皆様の無病息災を祈願しております

本日(7月19日)、祇園祭を執り行いました。
(マスク着用、アルコール消毒の上)

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今年は、誠に残念ながら山笠の奉納は延期となってしまいました。
ですが、いつもと変わらず皆様の無病息災を祈願しております。

そして、ささやかではございますが、その願いを込めて津屋崎の「祝い目出度」を唄わせていただきました。

ぜひ来年は津屋崎祇園山笠を観に来てください。
山笠の風にあたれば、夏病にかからないと言われております。

また、「参加してみたい」と思われましたら、お気軽にお声掛けください。
歓迎いたします。

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以上、津屋崎祇園山笠の紹介でした。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。



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