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起業と言葉 vol.010 Foursquare

こんにちは!元電通のコピーライターで起業家のNOBUです。起業と言葉の連載も、ついに記念すべき第10回。自分の勉強のために始めましたが、毎回いいねをしてくださるみなさまのおかげで、何とか続けられております。ありがとうございます!!

Foursquareのピッチデッキ

本日はFoursquareというチェックイン機能などの位置情報サービス×ゲーミフィケーションのスタートアップについてです。日本ではあまり知られていない会社ですが、世界最大級の位置情報シェアサービスになっています。Facebookなどにもある、「〇〇空港にチェックインしました。」みたいな機能をFacebookよりも前に流行らせた会社です。では早速見ていきましょう!今回からは、英語だと読む気なくなる、という方のために、DeepL先輩の力を借りて、日本語翻訳もつけております。(ほぼそのまま載せているので意味不明な箇所があってもお許しください。)


資料はまず、foursquareとは何か?という説明から始まります。地図の位置情報と訪れた回数などによって、「市長」といった役職が与えられるゲーミフィケーションを掛け合わせていますが、要するに、RPGを現実世界で体験できる。といったことに近いのかもしれません。「ユーザーにとって」や「広告主にとって」など、要素を結構詰め込んでいるので、スライドを1枚ずつにする方がわかりやすそうですが、1枚で何かを語る、という意味ではこのままでもいいのかもしれません。

foursquareとは何か?を説明するスライド(日本語を左側に付け足した)

画面説明書のようなイメージ

そして2ページ目からは、とにかく画面説明書のような情報詰め込み型のスライドになっています。Foursquareを全く知らない人に対する資料や、機能について詳しく聞かれている場合については、これでも良いと思いますが、ピッチ資料という意味ではかなり情報過多のように思います。

友達の現在地を見つける機能
ソーシャルチェックイン機能

幕の内弁当は結局何も残らない

かの秋元康さんもおっしゃっていますが、幕の内弁当は結局何も残らない、ということだと思います。色々な機能があって便利そう、というイメージをつけたい場合は良いかもしれませんが、ピッチの際には、特に使われている機能に絞るとか、一番のコア機能は何かを決めた上でそこに絞ってまとめるのが良いかと思います。

目的からの逆算設計

もちろん自社プロダクトのいいところは全部伝えたい!という気持ちは大事ですが、時間が限られている中で、情報過多のピッチは「どんな印象を残したいのか」というピッチの目的・目標設計ができていないように思われてしまうので、情報を絞り込む必要がありますね。

ピッチよりも、プロダクトの設計が上手い

ピッチについて、酷評しすぎると各方面から怒られてしまいそうなので、ここら辺にしますが、Foursquareは、何よりもプロダクトの設計が上手く、楽しんで継続的に使ってもらおう、という工夫が随所に見られます。ピッチにおいて、なんか楽しそうだから使ってみよう!と思わせることはできているので、その点が良い点だと思います。
例えば、特定の場所に最も頻繁にチェックインする人をその場所における「市長」と命名したり、ポイント獲得上位者は一定期間表彰されたりと、人間の承認欲求を刺激しながら、とても上手にトライアルと継続を促す仕組みを作れています。もちろん、多くのtoCアプリのスタートアップが、ポイント機能やスタンプ機能などを持っていますが、こういった細かい部分の設計が、ちょうど良くできている、という印象です。

チェックインによるポイント獲得と称号機能
スコアが上位だと7日間自慢できる

言葉の手法=ついつい体験したくなるゲーミフィケーション

ついつい体験したくなる広告事例①/みずほリサーチ&テクノロジーズ

みずほリサーチ&テクノロジーズの広告は、電車内と駅のホームドア等をジャックした、パワーポイント資料を並べた広告。自社のリサーチ力、提案力を伝えるために、電車に乗る人に対して、座るためにどんなデータを参照して、どんな戦略をた立てて座るまでの道筋を立てるのかを、細かくパワポ資料にしてピッチしてくる、という広告です。通常は読みたくないような文字が多い広告も、場所にあったテーマと、あえて大真面目に資料化するというギャップで、ついつい読みたくなるギャップのあるゲーム性を持たせています。

電車の中で座るための戦略とアクションプラン

みずほリサーチ&テクノロジーズ
電車待っていたら、ついつい読んでしまいそうな熱量の資料。

ついつい体験したくなる広告事例②/日能研

やたことある!という声が多数聞こえそうなこの広告、つい電車内で解いてしまった、わからなくて答えを見てしまった、という人も多いのではないでしょうか。以前は同じ広告内に答えが書いてありましたが、現在はサイトに遷移しないと答えが見れないようになっています。上手いですね。笑
しかも実際の中学受験校の出題問題過去問をそのまま広告に使えるということで、制作費もほとんどかからずに同一フォーマットで大量にシリーズ化できるというのが大きな強みですね。恐るべし・・・

シカクいアタマをマルくする。

日能研
誰もがやりたくなる、体験型広告の金字塔ですね


今回は、コピーライターの視点で、スタートアップ起業家や、新規事業担当者向けに言葉のチカラについてまとめてみました。起業をしていなくても、すべての会社の広告やマーケティング活動、企業の広報やPR活動において、これからの時代に言葉のチカラは必須だと思います。
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NOBU Planning CEO / コピーライター / クリエーティブディレクター
縦型グルメSNS「Popdish」CEO(Chief Eating Officer)
鈴木宣彦
nobu@nobuplanning.com

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