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◆濱中史朗氏 ロングインタビューVOL.5

スカルの事

のぶちか
「史朗さんは長崎の原爆投下の日と…」

史朗さん
「うん、誕生日同じ。」

のぶちか
「その点について少しお話頂ければ…」

史朗さん
「まぁ結局その、それを持たされているというか、それがベースなんだけど…、だから原爆の事は常にこう…あるよね。でそれがまぁ最近は骸骨とかモチーフにしてたけど、意味合いが出てきて、結構最近広島よく仕事で行く…、それの影響か知らないけどなんかここにすごい出て来る。まぁこの死者のこのなんかねぇ…、別に鎮魂する訳じゃないんやけど、なんかこう…出てきたのを開放する意味…、どっちかって言うとね…。その鎮めるっていうよりは、浮かしてあげるっていうか。」

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のぶちか
「じゃあその死者の魂みたいなものが、史朗さんのフィルターを通して…」

史朗さん
「いや分かんないけど、よく行くし…、で、そこでまぁ袋町公園(広島市)とかさ、何万人って死んでる場所なんで、そういうとこでイベント(『※3トランクマーケット』)したりとか…。最近やたら何年か広島が多い。長崎にはなかなか行かないけど…。そういう流れがあって…。」

のぶちか
「スカルって作られたのは結構前からですよね?」

史朗さん
「結構前。」

のぶちか
「変遷としては、今だと原爆の事が意識されて、広島との御縁が頻回になってきた事によってって事があると思うんですけど、初期の頃だとか現在に至るまでの何段階かのフェーズで、それぞれスカルに対して…なぜスカルを表現されたのかとか、各フェーズごとにスカルへのコンセプトがあったと思うんですけど…」

史朗さん
「元々はその、やっぱベースだろうな、器のね。器の元型っていうか。でそれをどう取り入れたら良いのかとか…、デッサンがてらに作ってた。手慣らしっていうかね。で作って(体、脳、技等々に)入れ込むんやけど、続けて入れ込んでたらまぁそういう表現になっていくっていうね…。今はボコボコ付いてるのはまたちょっと…、どっちかっていうと広島の意味合いやけど…、広島とか死者に対しての…意味合い…。元々はそれがベースだから、ベースを取り入れる為のテスト。デッサンしたら…、作って感覚を入れていったって感じ。」

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のぶちか
「何かのひらめきとか気付きとか、降って来るとか降りて来る様なきっかけにそのデッサンがなればいいっていう感じで捉えてて間違ってないですか?」

史朗さん
「デッサンはまぁより強化する為にね、それをね、漠然としてるものをね。まぁ一応降って来るんだけど、その降って来るっていうか降りて来るんだけど、それを具体的にしていかなきゃいけないじゃん、その、もの作るから。それ…を、感覚的にする事が多いけど、もうちょっと土台のしっかりしたものを作る為に、ロクロがひけたりとかさ、デッサンが必要だったりさ、まぁそういう労力が必要になってくる。でも感覚は常に磨いていかないと感覚的なものはできないんじゃないかっていうところもある。だから並行してるの、どっちも。」

のぶちか
「技術と感覚…」

史朗さん
「うん、だから一緒になるまでずっとやるの。最初バラバラだったものが一つになっていくっていうか…。だからそれは結構時間かかるんだけど、で本当にそうなるとも限らないしさ(笑)。」

のぶちか
「じゃあ今もってまだ達成しているとは…」

史朗さん
「まぁ近付いてはいるなぁって。こういう感覚的にやったものが『あっ、そうだよな』っていうのはある。まぁでもまだまだ感覚的…。」

のぶちか
「つまり、スカルが器の原型という捉え方の中から、感覚をより視覚化できる様に、技術としてまた体現できる様に、スカルを作るところから離れて器を作るだとか、スカルだとか骨っていう部分に触れながら作りながらそのエッセンスを、作り出す器の方に少しでも反映できる時を今、待つというか磨き上げてるというか…」

史朗さん
「そうそう、まだ途上…。結果が分からないというか(笑)。まぁ骨ばっかり考えてる訳じゃないけど、やっぱ服にしても…、パターン(型、縫製、サイズ等々)だったりとかさ。自分のサイジングだったり…。」

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原爆の事

史朗さん
「原爆の話で。親父のお父さんが医者で広島に行って、被爆して死んでるの。まぁ白血病でねぇ10年後かに…。でそれがねぇ5年前位に初めて聞いて(親戚から)、あぁでもそれモロ俺と繋がってるっていうかさぁ、原爆に対する事とかさぁ、そういうDNAとは別にこう繋がってるっていうところでねぇ、そういう表現としてねぇなんか抑えなくていいっていうか…(笑)。まぁ食器に骸骨が付いてるのも問題っていうか…、問題っちゃあ問題…」

のぶちか
「もしかしたらアート表現っていうものへの渇望っていうのが…」

史朗さん
「うん、あるけど、やっぱりアート…、うーん…、まぁ軽く見られる場合もあるじゃん、軽くっていうか、そういう表現をさ。骸骨表現っていうか…。まぁまだ完成ではないって感じ。今は感覚的にどんどんやってるってだけ。」

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のぶちか
「よく聞かれるんです、『なんでスカルが付いてるんですか?』って。今日ほどはっきりとお聞きした事は無かったですけど、何かしら造形の根幹というかあの大本を骨だとかと捉えられてるっていうう所をお話して下さった事があったんですけど、これまで良く分からない部分のひとつにスカルがあって…」

史朗さん
「メッセージとは違うんだよね。やっぱ出て来てるものを表現してる。表現っていうか感覚的にやってるっていうかね。例えばLOVE&PEACEみたいに兄貴みたいに書けない。でファッション的なとこでそのアプローチするんやったら別のアプローチするよね(笑)。もうちょっと商売に寄って(笑)。」

のぶちか
「なるほど~!ほとんどの方が今のお話を知らないまま買っていかれてるんですけど、何だろうなぁ…、ちょっとスピリチュアルトークになっちゃうかもしれませんけど、なんかそういう商売っ気な所からのひとつのデザインとしてのスカルじゃないっていうか、そこら辺の深さとかがグッと(買う人に)伝わるんですかねぇ?まぁファッションで買う人もいるのかなぁ…?」

史朗さん
「まぁファッションから入る人もいるし…、まぁスピリチュアル体質の人からは『あぁ出てきたね』って捉えられてる事もある(笑)。だから共通(笑)。きっかけみたいなところもあるしさ、そのファッションで捉える方もいるし(笑)。それはそれで…。ただ本当のスピリチュアルの人と関わる場合もあるからさ(笑)。

のぶちか
「じゃあ『あぁ出てきたね』って言い当てられた事もあったんですか?」

史朗さん
「うーんまぁ、それに近い事とかね。まぁそれを信じるかどうかは別として(笑)。」

のぶちか
「史朗さんの中でファッションとして買っていかれる事に関しては何の抵抗も無いですか?」

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史朗さん
「…いやまぁ大概そうなんじゃないん?その…、焼物が売れる事自体不思議だと思ってるし、その興味ない人が買う訳じゃないし元々さ…。(焼物を)持ってる人は別として(焼物に)踏み込む土壌を作ってる感じするよね。だからまぁファッションとして分かりやすいし。でたぶん最初は感覚的に上にやったんやけど…。やっぱ浮いてるから上なんやろうなって(笑)。あとは最初持った時にちょっとここが当たるなぁって逆にした(笑)。でそこから始まりだけど、結果的に浮いてる…、下から来てるから(笑)…、下から来てるって分かるかなぁ?土の下、だから上向きに上がってるっていう。だって変じゃん(スカルの顔の向きが上だと)、普通に考えたら(笑)。大体(スカルが)正面向いてね、あんな逆さ向いてる(のって無いでしょ)。でも別にそれに対してあんまり人は言わないけど、「なんで逆さなの?」って(笑)。

のぶちか
「付けてるスカルの位置じゃなくスカルの顔の向きが上か下かって話ですね?」

史朗さん
「そうそう。」

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のぶちか
「上向きにして…」

史朗さん
「斜めってのもあるけどね(笑)。下もまれに(笑)。(スカルを)下向きにすると手で持った時にここ(顔の凹凸)が引っ掛かるっていうか、ここがガサって当たるから上向きにしたのもある…」

のぶちか
「なるほど~。先ほど焼物を買うきっかけについてお話されてましたが…」

史朗さん
「あぁ、きっかけの人が多いなぁって。」

のぶちか
「なるほど、史朗さんの作品が焼物を買うきっかけとなってる人が多いって事ですね。きっかけになってくれたらいいなぁという意味ではないんですね?」

史朗さん
「ではないね。」

のぶちか
「じゃあそれによって陶芸ファンが増えていったら良いという事では全くなく…」

史朗さん
「いやぁだからスカルとかスタッズっていう題材があるから興味持ってる人が…、今まで器買った事が無い人がさ、買うんだよね。っていうのが多くなってきたよね…。」

のぶちか
「それに対して一喜一憂ではなく、ただ多くなってきたなってだけの事ですか…?」

史朗さん
「だけの事。そっからまた室内とか空間とか興味持ってくるかもしれないしさ…」

のぶちか
「で別にそこからインテリアとかしつらえに興味を持ってくれる人が増える事を望んでいる訳でもないですか?」

史朗さん
「別に…。もう何も望んでない(笑)。」

のぶちか
「ハハハ(笑)!もう淡々と自分の…」

史朗さん
「もう自分の安全だけを望んで(笑)」

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