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肉体が生きていく上では、食品からの栄養が必要不可欠。

それと同じように、
私たちの心には「愛」という栄養が必要不可欠。

このようなことを故・瀬戸内寂聴さんがおっしゃっていました。


有名な話ですが、子供に愛情を与えないで育てた実験があります。

100人の赤ん坊に、「フリード2世」という王様が、
生きるための基本的な生活(入浴、おむつ替え、ミルク、寝かしつけ)以外、愛情は一切与えずに育てるように指示しました。

具体的には、

  • 目を合わせない。

  • 話しかけない。

  • 笑いかけない。

  • 泣いても放置。

  • 笑っても無視。

想像するだけで可哀相です。。。

そのうち、赤ちゃんは感情を示すことはなくなりました。

おむつが汚れてもぼんやりするだけ。お腹が減っても何も訴えない。完全に心の栄養が足りていません。

そして1年もすると半数の50人以上が亡くなりました。
赤ちゃんたちはあまりミルクも飲まず、ガリガリで、栄養失調や免疫力低下で、またどんどん命を落としていきます。

2年が経つ頃には、ほとんどの赤ちゃんが亡くなったところで実験終了。

そこからは、普通に愛情を与えましたが、生き残った赤ちゃんが、2度と普通に戻ることはありませんでした。

コミュニケーションを取ろうともせず、ぶつぶつ独り言を言うだけ。そして6歳になるまでには全員が亡くなったそうです。

なんとも、残酷な実験でしたが、このことから、私たちが生きていくには、「愛情」という栄養が、欠かせないことがわかるでしょう。


ここまで極端ではないにしても、親からの「愛情」を感じることができずに、心が栄養不足のまま大人になってしまう人は思ったより多くいます。

根底の心が埋まっていない人は、愛という栄養をもとめてさまよい歩きます。でも、親から埋めてもらえてなかったぽっかりした心の穴は、他のものでは決して埋められずに、永遠とさまよい歩くこともあります。

とはいえ、その親を責めることもできません。
その親も、両親から、愛情を受けれなかったのかも知れないのです。

犯罪を犯す人は、多くの場合、こういう家庭環境で育ったと、統計が示しています。だから、犯罪者との間に線を引き、断罪するようないまの風潮は、個人的には好きではありません。

それでは根本の原因が何も解決していません。
犯罪を犯してしまうような、心の穴がぽっかりと空いてしまったような人にこそ、私たちからのたくさんの「愛情」が必要なのです。

もし私たちが、同じ環境で生まれ育ったら、同じような犯罪を犯してしまう可能性だって大いにあります。

直接の被害を受けたら、なかなかそういう感情にはなれないかも知れませんが、少しずつでもそういう温かい世界をつくっていきたい。

根底の原因に目を向けずに、犯罪者を隔離する方針の世の中では、絶対に犯罪はなくならないのだけは確かです。


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