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【人間観察】会拶!?って?どういう意味?

警備員をしている友人Y君との話だ。

Y君が唐突にも「山尾!<あいさつ>って、漢字で書けるかい?」との質問をしてきた。<やまのぼ>は、「あいさつ?あいさつ?かァ~?」とオウム返ししながら、確か手偏だった・・・そこまでしか出てこない。

「漢字は最近、パソコンの漢字変換機能に頼りきってるから書けないよ!」Y君は<やまのぼ>の降参ぶりを、ニコニコ顔で愉しんでいた。

「むやくた!むやくた!だよ!」Y君は、念仏を唱えるようにいった。

「むやくた・・・」<やまのぼ>は、またオウム返しするばかりだった。Y君は手元にあったメモ用紙に、<挨拶>と少し大きめに書いた。「そうだ!やっぱり!手偏だった!」<やまのぼ>は、胸のつかえが少しは楽になった。

「ほら!手偏にムヤ(矢)で<挨>だろう!それから、手偏にくタで<拶>なんだよ!」Y君は鼻の穴を大きく膨らませながら、ボールペンで何度も、<むやくた>をなぞって見せた。

「なるほど!ところで挨拶の漢字がどうしたんだ?」「ほら!警備員の仕事で、入館者全員に入館日報を書いてもらっているんだが、ある訪問者が、その<目的欄>に、<会拶>って書いたんだよ!」

Y君は、初め戸惑ったらしい。

<カイサツ>って言葉あったっけ?その訪問者が、あまりにも自信たっぷりに、サラサラっと書き込んだので、Y君は<カイサツ>の迷路に入り込んだようだ。

黙読しているうちに<挨拶>の誤字だと、気づいた。でも、お客様に失礼だから、指摘もできないし黙っていたそうだ。

「ところで、最近の若い人たちって、挨拶しないんだよなァ~」Y君は憂い顔でいった。

朝夕正門で、「おはようございます!」「お疲れさまでした!」って、声をかけているんだが、およそ三割ぐらいの人は、ロクに挨拶しないでスマホ見ながら素通りなんだ!

「それって!しないんじゃなくって、挨拶ができないんだよ!」「ニワトリ卵論になるけど、<挨拶>って人間関係を、構築するための基本の<キ>だゼッ!」

スマホには「おはようございます!」も、「お疲れさまでした!」も必要ないもんね~ってY君は苦笑いした。

アイサツの漢字が書けなければ、ひらがなでもいい。どうしても、漢字で書きたければ、スマホに聞けば即答してくれる。が、挨拶するという行為の本当の大切さは、スマホは教えてくれない。

それは、人間に教わるしかないのだ。


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