【超短編小説】遠(その3)#140字小説
彼が初めてわが家にやって来た。彼よりも両親の方が、緊張していた様子だった。それなのに、しっかりと彼のことは見抜かれていた。確かに遠慮なくとは言われたが、あまりの彼の慇懃無礼さに、父のたしなみ批判は容赦がなかった。お若いからとの母の援護もむなしく、二人の未来設計図はその場で破れた。
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彼が初めてわが家にやって来た。彼よりも両親の方が、緊張していた様子だった。それなのに、しっかりと彼のことは見抜かれていた。確かに遠慮なくとは言われたが、あまりの彼の慇懃無礼さに、父のたしなみ批判は容赦がなかった。お若いからとの母の援護もむなしく、二人の未来設計図はその場で破れた。
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