アジアプロ野球チャンピオンシップを振り返って〜中編〜
前回の前編に引き続き、今回は中編をお送りします。
初戦のチャイニーズ・タイペイ戦を勝利で終え、迎えたのは宿敵・韓国との試合でした。おそらく全ての野球日本代表ファンが、「この試合だけは負けられない」と勇んだ前夜、韓国代表のリュ・ジュンイル監督は先発投手をリ・ウィリ選手と公表。
リュ・ジュンイル監督はリ・ウィリ選手を韓国最高の投手とコメントした上で、
「私が思うにボールが速い。コントロールがうまくいく時は、相手は打ちにくいと思う。日本はいい左打者が多いが、コントロールよく投げることができれば、うまく抑えられると思う」
と、期待をかけます。
対する日本の先発は、若手の中では日本最高峰と言える西武・隅田知一郎選手。どちらも負けられない戦いが始まります。
試合は日本が3回に作った無死満塁のチャンスで牧選手の併殺打により先制すると、4回に万波選手のソロによって1点を追加。
9回に登板した田口選手がキム・フィジプ選手にソロを浴びて1点差に迫られましたが、そのままゲームセット。2-1で日本が韓国に勝利しました。
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韓国戦は正直最後まで一時も気の抜けない試合でしたね。イ・ウィリ選手も評判通り素晴らしい投手でしたし、しっかり出塁してくる1番のキム・ハソン選手や、代打で最高の結果を出したキム・フィジプ選手も日本にとってかなりの脅威となりました。
井端監督は試合後、
「接戦になるのはわかってたんですけど、先に点取れて、追加取れたってところでは、ちょっとずつ勝ちにつながったとは思うんですけど、もう少し点は取れたんじゃないかなというところでは、反省しないといけないと思います」
とコメント。この試合で決勝進出を決めましたが、それでも指揮官に慢心はありませんでした。
一方のリュ・ジュンイル監督は、
「李義理は試合序盤の危機をうまく乗り越えながらよく投げたと思う。打線が序盤のチャンスを得点に結びつけられなかったのが惜しまれる」とし「金揮執の本塁打で無得点を免れた。良い試合をしたと思う」
と、先発のイ・ウィリ選手やキム・フィジプ選手に賛辞を送りました。
また、この試合中に隅田選手は韓国、キム・ジュウォン選手に死球を与えてしまいましたが、決勝の直前に隅田選手の意向により対面が実現。言葉は違ったものの、誠意を伝えたようです。キム・ジュウォン選手も、
「言葉は通じなかったが、感情を感じることができた。体に当たるボールは試合ではいくらでもある。でも考えてくれて、私の方がもっと感謝している」
と言います。お互いをリスペクトする精神、これこそがスポーツの真髄ですよね。
韓国戦を終えたのち、日本代表が望んだのはオーストラリア戦。ここまで二戦連続で延長戦での敗戦を喫していたオーストラリア代表を率いていたのは、中日でも「ディンゴ」として活躍したデービッド・二ルソン監督。元チームメートの井端監督との再会を喜んだ上で、
「ワクワクしています。監督として戦えることをすごくうれしく思っているし、準備はできている」
と話していました。
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オーストラリア・ブッシェル選手と日本・早川隆久選手の対決。蓋を開けてみれば、日本の8回コールドゲームでした。先発の早川選手が5回パーフェクトの快投を見せると、打線も藤原恭大選手が猛打賞を記録するなど13安打10得点の大活躍。
試合後に二ルソン監督は、
「日本の投手が良すぎた。(中日で同僚だった井端監督に)会えてうれしい。次回は勝ちたい」
と振り返り、再戦を望んでいました。
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余談ではありますが、オーストラリアナインは日本滞在中"ある専門店"に夢中だったよう。
練習開始前のベンチで、アーロン・ホワイトフィールド外野手に日本での滞在生活について尋ねた時。わざわざ近くを通りがかったチームメートに「いつも食べに行くところ何だっけ?」と確認。「そうだ、ココだ! アンビリバボーだよ」と絶賛した。
「ココ」とは、「CoCo壱番屋」のこと。そう、オーストラリアナインはカレー専門店のCoCo壱番屋を愛食していたのです。
カレーライスは世界共通で美味しい食べ物ですから、オーストラリアの選手たちの口にもあったのでしょうね。
オーストラリア戦を終えたところで、中編は終了。一度区切り、次回は後編をお送りします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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