見出し画像

課題と魅力を見つめて。

公的施設の利用者による意見交換会を視察してきた。約7年前、とある駅前に建てられた施設。カフェのようでコワーキングスペースのようで、ときにイベント会場にもなる。事業の内容も、起業・創業の支援から地域企業との連携、情報発信など多岐に渡る。また利用者の属性も、定年を迎えた方から主婦の方、リモートワークをこなす会社員やフリーランス、そして学生など、じつに多種多様。そんなまちの幅広い人が繋がりを持ち、それぞれの活動を推進させられるような施設である。

今回の意見交換会は、おもにこれまでどのように利用されてきたのかを振り返り、そしてこれからどのような目標を掲げていくかを話し合う場だった。僕はその運営の中心を担うディレクターの方と知り合いだったことから、今後の参考にしたいと参加させてもらったのである。まさにこれから、カフェやコワーキングスペースのような場所を地元につくりたいと思っている。

その中で課題のひとつに上がったのが、機能やターゲットの「幅広さ」である。さまざまな活動を展開していることで、利用したことない人には分かりづらさを感じさせる。また、多種多様な年齢や属性の人を対象としていることから、コンテンツの特徴がどうしても薄まってしまう。おこがましくも「平等性を求めるが故にあまり刺さらない(面白くない)ものになる」という、そんな事態にはここまでの地域おこし協力隊としての経験も踏まえて、共感できる部分があった。やはり地域のコミュニケーションの課題だとも、確かめられる感覚があった。

ただ、帰り際にディレクターの方とその課題感について話してみると、「でもやっぱりいろんな人が利用できることは魅力だよね。ほかの場所じゃ出会えないような人たちが、同じ空間にいることだってあるんだから」と話していた。そして「課題と魅力の両方を見つめること。まちの施設として指定管理を任されているからこそ、そのバランスは大切にしたい。というか大切にせざるを得ない」と続けたのだった。

なんだかハッとさせられた。個人的に、これまで平等性を重んじる行政のやり方に嘆くこともあったけれど、それは行政が成し得る特長とも捉えられる。もちろん課題はあるとしても、それだけの特徴から魅力も見えてくるのだろう。この世の中は、表裏一体。そのバランス感覚が、今後の自分に求められるのではないかと感じさせられたのである。

いつもいつもありがとうございます〜。