見出し画像

「N」の感覚。

「R」と「D」の間に「N」がある。なぞなぞではない。

後進を意味するReverseと、前進を意味するDrive。その間にNeutralがあるわけだ。個人的には最も使わないAT車のシフトレバーであり、あまり必要性を感じられない部分ではある。ただおそらく車の構造的には必要とされるものなのではないかと、そんな想像もしてみる。詳しいことはよくわからないけれど。

それでもふと、良い感覚だなあと思った。後進も前進もしない、どちらでもない状態。人間で言えば、否定も肯定もしないような、いわばフラットな立場や関係性とも喩えられるのではないだろうか。好き嫌いを含めた自分の意見というアクセルはさておき、まずはニュートラルに他人や社会と接すること。「受け入れる」とはまた違う「受け止める」感覚が、穏やかなコミュニケーションを生み出してくれる気がする。

そんな「N」の感覚は、たとえば多様性を認めるような優しさにもつながるだろう。自分は自分で、他人は他人。一見あたりまえだけれども、日々忙しなくさまざまな役割や時間を生きる今の人間にとって、そう容易い価値観でもないように思える。だからこその、ニュートラル。ふっと力を抜いて、他人や社会と、あるいは自分自身とも距離を測りながら、気張りすぎずに生きていく感覚を大切にしたいと思う。

いつもいつもありがとうございます〜。