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なくても困らぬ、なくては困る。

地域おこし協力隊として、もうすぐ着任から1年半が経とうとしている。僕は地元に帰ってきたということもあり、当初から最長任期の3年をまっとうする気満々であった。それもいよいよあっという間に、後半戦に差し掛かろうとしている。

町にとって1期生の隊員となった1年目のシーズンは、だいぶ手探りの状態で進んだ。それは僕個人にとっても、受け入れ先の役場、ひいては町にとっても。何をするべきか、何から始めるべきか、何を将来に見出すべきかが、終始ふわついていた。もちろん個人として事前の知識や心構えなど、ある程度揃えておくべき必要性はあったのかもしれない。ひとまず僕は町の人との関係性を構築することに重きを置き、そしてそれは2年目の今にもつながってくれている、とあくまでポジティブに捉えている。

けれども結局、卒隊後に自分の事業で生きることを目標にしている割には、率直に言えば「物足りない状況」となっている。これといった成果は乏しく、ビジネスモデルも掴めていない。さすがにもうそろそろ本格的に事業化していかなければ、文字通り食いっぱぐれてしまう。そこで大切なのは、僕(や僕のサービス)がいなくては困る状態をつくることではないかと思い始めた。

たとえば「SNSでの発信活動」が今の仕事にあるとして、それは協力隊が着任する前、町にはなかったコンテンツであり仕事である。もしこのまま自分が卒隊したならば、単純に着任する前に戻るだけだと想像する。別になくてもそこまで困らないよね、だってもともとなかったものだもんね、である。そうなると仕事がなくなった僕が困るわけで、つまり「それがないと困るよね」の“それ”を、僕はつくらなくてはならないのだ。いわゆる移住・定住促進事業なのか、空き家対策事業なのか、今は町での活動にヒントを感じているわけだが、やはり「なくても困らぬ」では僕が困る。「なくては困る」をつくらなければならない。

周りの協力隊を見ればその生き方もさまざまで、誰もが起業をして地域に残る選択をしているわけでもない。今の時代ひとつの観点から語るのはナンセンスで多様性はあって然るべきだとも思いつつ、ただやっぱり僕は、事業を起こして生きていたい。自分や地域と対話をしながら、大事な後半戦でその可能性を探り続けていきたいと思っている。

いつもいつもありがとうございます〜。