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6畳2間の2DK。

「のぼさんはね〜もうさっさと地域に入り込んだ方がいいね」

昨年9月、とあるコミュニティでのオンラインのメンタリングの機会で、僕は実業家の方にそう言い放たれた。東京1K5.5畳のアパートで暮らしていた当時の僕は、地元である宮城県美里町みさとまちで「みさと大学」なる真新しいコミュニティを立ち上げたいと考え、その思いを打ち明けていたのだ。ただ、それを始めるにはどうしても、自分の実力不足や地域との距離感が否めなかった。

年が明けてから、そんな地元で“1期生”となる地域おこし協力隊の募集が始まった。それはまさしく、渡りに船。1月に応募書類を郵送すると、2月上旬には面接日程の通知、その下旬には採用通知が届いた。喜びも束の間、3月は引越しの作業やら手配やらに追われ、あれよあれよと4月を迎える。職場である役場のすぐ近くに借りた自宅アパートは、6畳2間の2DKとなった。ちなみに、9ヶ月が経つ今もスペースを持て余している。


協力隊としてUターンすることには、むずかしさも感じられるらしい。たとえば、失敗したときに“逃げ場”がないこと。自分の家族や親戚を知っている人の存在。そんな噂も耳にしていたから、僕はそれなりの覚悟を持って帰ってきた。ただ、それと同じくらい、いやそれ以上に、自分なら大丈夫だという自信もこしらえていたと思う。2年前の秋頃から宮城のまちづくりに興味を持ち、東京での移住イベントに参加したり実際に現地へ足を運んだりして、県内の各地には、心強い知り合いが多くいた。彼らを仲間にした今なら大丈夫だという、そんな思いがあったのは確かである。


活動のテーマは「町のプロモーション」。その当初はライターとしての経験を活かして、おもに書くことで地域を発信したいと考えていた。現在はそれに加えて、移住定住促進や関係人口創出の分野にも取り組ませてもらっている。つまり、町外の人に向けて、町内の人が関わるような仕組みをつくり、「美里いいな」「美里おもしろいな」と思ってくれる人を増やすこと。それこそ、これまで日本の首都で暮らしてきた自分が取り組むべきことだと思えている。

そして、そんな人を巻き込み地域に根づく活動を続けることが、自分が胸に掲げた「みさと大学」の形成にも繋がるだろう。あのときアドバイスをくれた実業家の方とも「やっと直接会えましたね」と再会を果たせた。地域を知り、人々と知り合ったここまでの9ヶ月を踏まえて、この地元の宮城で、自分の夢を叶える行動を重ねていきたい。


2023年も、なるたけ前向きに生きていたい。

いつもいつもありがとうございます〜。