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移住までのレイヤーを。

まちの移住・定住促進活動を担っている。地域おこし協力隊としてUターンする直前まで、僕は東京で暮らしていた。地元である宮城でのまちづくりに興味を持ち、都内での移住イベントや現地でのお試し移住ツアーなんかにも参加した。それらを通じて地域で活動する人々に魅せられ、知り合いもたくさん増えて、安心感と共に移住してきたという経緯がある。

いま、地域の人に移住促進のアイデアを訊いてみると、比較的いきなり移住を促すような方法論が聞こえてくる。たとえば地域で起業したい人をターゲットに、予めそのための環境を整え、そしてツアーなども含めて移住検討者にアピールおよびアプローチすること。たしかに起業家を増やせば雇用も生まれ、地域に良い循環を生み出せるのかもしれない。僕にはない発想であり、今後に向けて参考にさせてもらいたい意見である。

しかし、移住には「レイヤー」があると僕は思っている。その地域との出会いがしらに移住を決めるのではなく、SNSやポータルサイトなどの発信を見て情報を集めて、実際に現地へ何度か通うようになって地域に知り合いも増えて、そのツテから小さくビジネスを始めるようなこともあって。そんな「段階」を踏むようなコミュニケーションが、スムーズに感じられる。何より僕自身がそうだったし、個人的にその方が好きでもある。

起業家を集めるアイデアは、たしかに間違っていないだろう。ただ、僕個人レベルで考えたとき、果たして、それこそ自分がビジネスにしてまで取り組みたいことなのだろうか。起業家にアピールをしたら、ビジネス視点が強めの人ばかりが集まってしまわないだろうか。まちとしては、“数字”が増えればもう何でもいいのかもしれない。ただ、せっかくこれから取り組んでいくならば、自分自身のアイデアや理念も引っ括めて考えられないだろうか、なんてことを思っている。

いつもいつもありがとうございます〜。