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口を結んで社交辞令。

僕は来年の3月、地域おこし協力隊の任期である3年の期間を満了する。現在は2年目のシーズンで、ここまでもっとやれることはあったなと後悔や反省はありながらも、それも含めて我ながら充実した日々を過ごしている。何より、このまちの活動的な人々と出会いを重ねられていることが大きい。

その出会いの中には、僕の未来を案じてくれる人もいる。協力隊を卒業したその先の仕事は現時点でなくて、これから事業をつくるなり働き口を探すなり、それなりの行動が求められている。すると「オレは大村くんにこんなことやってほしいんだや」「まだ将来決まってないんでしょ?だったらうちでどうだ?」などと声をかけてくれる人が現れる。現れてくれる。

まずひとつ、とてもありがたい状況である。いち他人に過ぎない僕の人生を考えて、自分なりのアイデアを提案してくれることは、地域で出会えたからこそであり、その人なりの愛を感じてしまう。ただ、もちろん僕にも僕なりのアイデアはある。目の前の人にとってはひとつの面から見えないが、僕には彼が想像を絶するほどの選択肢があると思っている。悩んでいる。考えている。

しかし、僕の将来についてプレゼンしてくれる人に対して「いや自分は〇〇と考えておりまして」や「〇〇はやらないので大丈夫です」と言えるほどの洗練と勇気はない。そう言えたらストーリーは前に進むのだろうが、今の中途半端なままに口を開けば「いやいや、オレが言いたいのはそうじゃなくて」「それも分がっけどオレはな」などと言いくるめられるオチが見える。また、ヘタに口を開いて将来の選択肢を狭めたくないという気持ちもある。

だから今の僕は「なるほどね〜」「それもいいですよね〜」と明言を避けている。本当は言いたいことがあるけれども口を結ぶ、ということが今の僕にとっての“社交辞令”。何も言わないことは、誠意なのである。

いつもいつもありがとうございます〜。