喜びと、自分らしさと。
「大村さんがやりたいことってできてるの?」。
地域の知り合いにそう訊かれた僕は、「あーどうなんでしょうね」と答えを濁した。それはつまり、暗に「できていない」を示していた。
地元の宮城県美里町で地域おこし協力隊となってから、約4ヶ月。ここまで何もせずのうのうと過ごしてきた、というわけではないのだが、具体的で鮮烈な何かが実現できているわけでもない。着任前から思い描いていた「地域の人やイベントを取り上げて記事にする」ことに取り組んではみているものの、なんだかイマイチ手応えがない。初めて経験する行政職員としての考え方やあり方にも、未だ難しさを覚える状況だ。
そんなもんだからきっと、冒頭の質問を受けたとき、濁すしかなかったのだろう。自分はいったい何がしたかっただろう、今の僕には何ができるのだろう、なんてことも改めて考えさせられている。
とはいえ、ここまでの活動で喜びや自分らしさを感じられるポイントは、いくつかあった。ひとつは、僕が町内の人を繋げて作用を促すこと。協力隊として生活や活動を重ねるうちに地域の人のスキルおよび個性もインプットされていき、それがこれから化学反応を起こしそうになっている。具体的には、新たなイベントの開催に近づいているのだ。自分がいたから出会う人がいて、それがまちでの活動に繋がることは単純に嬉しいものである。
もうひとつは、町外の人に美里町をアピールすること。たとえば僕が個人的な興味から東北の某コミュニティに参加した際、僕と出会うことで「美里町」を知ってくれる人がいる。実際に遠路はるばる訪れてくれた人もいる。全国的に、いや東北的(?)にもマイナーを極めている我が地元を自分の活動によって広められるのは、やや大げさに言えば生きがいにもなりつつある。
つまるところ、僕はコミュニティマネージャー的な役割を担いたいのかもしれない。既存の言葉に当てはめようとすると必ずしもしっくりくるものではないが、人と人を繋げるような、あるいは人を地域に導くような。ざっくり言うとそんなところな気がする。どんなことに喜びを、あるいは自分らしさを感じるのか。着任前から思っていたことや従来の“協力隊像”みたいなものに縛られることなく、そこを追い求めていたいと思う。
いつもいつもありがとうございます〜。