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病は気から、というけれど。

人生初めての、人間ドックを受けてきた。ここ2年は町の職員として健康診断を受けていたけれども、今年はドックのチャンスが回ってきた。職員さんから受診の権利があることを教えてもらい、二つ返事で希望を出したのだ。理由の内訳は興味本位が半分、また近ごろ少しばかり不調の日あったものだから、もしもの結果があった場合に判明は早い方がいいと思ったのが半分である。

会場に選んだ仙台の診療所に着き受付を済ませると、着替えを促された。お笑いのコントでしか見たことのない、まるでパジャマのようなラフな着心地の診察着。男性用は紫と青の間のような絶妙な色合いで、女性用は柔らかなピンク色だった。自分の診察券を手に、身体測定や血圧、心電図など、それぞれのエリアに待ち構える検査をクリアしていくのは、さながらロールプレイングゲームの中を突き進むようで密かにわくわくした。

人生初めてのバリウムは、思っていたよりも白く、思っていたよりも美味しくなかった。決して無味無臭というわけではなく、また思っていたよりもドロドロとしていて、ぐっと飲み干せば特有の満腹感に襲われる。体感として15分ほどの胃の検査を終えると、それはドック全体の検査終了でもあり、妙な達成感がちょっとだけ芽生えた。

その場で明らかになる結果を医師の方と見てみると、どれも正常な数値だった。ほんとうに、呆れるほどの正常。つまり健康である。「大きな異常はありませんね〜」と医師の方に言われ、返す言葉が見つからなかった。「ありがとうございます」でも「いやいやそんなことないですよ」でもない気がして、「へー」「そうなんですね」と言っておいた。病は気からとはいうけれど、今日の検査を終えてひとまず安心を“服用”できたような、そんな自分がいた。

いつもいつもありがとうございます〜。