先生が解決してしまう世界。
物心ついたときから、「先生に言うよ!」という脅し文句を知っていた。小学校低学年、いやもっと遡って幼稚園の頃から、だろうか。僕はあまり積極的に用いるタイプではなかったものの、“おともだち”の誰かが言っていた。
あの頃の僕たちにとって、お守りのような言葉だった。聞こえたり言われたりするとなんだか心がざわついて、簡単にそのパワーを信じられた。そしてほんとうに先生を味方に引き込むことは、問題に直面したときの価値ある選択肢のひとつだったように思う。
しかしながら、たとえばそこに当事