感動した建築 : 前川國男邸 編
こんにちは。佐藤研究室、修士1年の白石です。
佐藤研究室では今年、設計のヒントを探るゼミの一つとして、「感動した建築」の発表を行っています。
今回は5月に発表した「感動した建築」についてお話します。
私が感動した建築は、前田國男の自邸。設計者の前川國男は、モダニズムの旗手として日本建築界を牽引しました。現在の前川國男邸は、江戸東京たてもの園に移築されています。
それではさっそく、前川さんのご自宅にお邪魔してみましょう。
感動ポイント① アプローチ
秋の落ち葉が植木に降る朝。
凛々しく育った庭木の前を通り、コンクリートブロックの門塀の中へ。
折れ曲がったアプローチと背丈ほどの塀が、視界の手前を遮ることで玄関に着くまでの期待感を増幅させます。
本棟造りのようなシンメトリーに近い立面が印象的です。
感動ポイント② 主室の光と断面操作
主室には高窓からの光と、庭の緑が映える美しい空間が広がっていました。
白く無機質な壁面には日光が反射し、光の筋を浮かび上がらせます。
高窓の向かい側には、2階の廊下と軒下のような空間が。
高窓の吹き抜けに対して、高さを抑えた窓辺空間をつくることで対照的な居場所をつくっています。
感動ポイント③ 寝室の窓辺
1階奥の寝室にも、主室と同じような建具を使った立面がありました。
緻密に設計されており、ヒーターの高さに合わせた大きな天板は寝室空間を豊かにしています。
今回は前川國男邸の中を歩いてみました。それほど大きな住宅ではなかったですが、見る者を感動させる設計が散りばめられており、前川國男の設計力を感じました。そして実際に訪れることで、写真では味わえない体験と発見をすることができました。
ぜひ皆さんも、この美しい住宅を訪れてみてはいかがでしょうか。
(修士1年・白石光)
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