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「蛇行する夕方」 2024/04/01 -2

悩めるって才能だよな。或いは芸術だよな。と、ふと思った。更に続けるならば、美しいとさえ思った。悩むって素晴らしい。悩むという体験は、したくないという人が多いだろう。時間の無駄だと思う人がいるかもしれないし、結局悩んだところで答えは出ないと思っている人もいるかもしれない。それでも、そうはいっても悩む人は多いと思う。ついつい、何でもないことで悩んでませんか?わたしはよく悩んでます。悩むのがデフォルトといっても過言ではない自分のことは、自分でも(嫌という程)よくわかってるので。

卑屈になりたいのでは全くない。卑下しているのでも全くない。むしろ、悩んでいる自分(を含めこの世界の全ての人)を賞賛したくなっている。なぜなら、時間の無駄なのに人は悩むし、答えが出ないのに人は悩む。その時間を自分に与え続ける。創造とは似ても似つかないような創造の形が、悩みかもしれない。そう思ってみれば、悩みさえも創造なのだ。わたしたちは、何もしていないようで、悩んでいるときでさえ悩む自分を、現実を創造している。

重箱の隅をつつきたいのではない。ただ、悩むというのは特権だと思うのだ。悩めるから悩むのだ。悩むことに時間を使える・・・・・・・・・・・と深いところで確信しているから悩めるのだ。つまり、悩みとは贅沢なのだ。全てを使って、悩む自分を創造するだけの時間が自分にあるということを、暗に自分が知っているということの証明なのだ。

だから、悩める間は悩めばいい。悩むとは、悩める時期にいる自分に与えられた、無意識に自分で与えてしまっている特権かもしれない。だから、悩めばいい。心配しなくても、永遠に悩むことは出来ない。なぜなら、わたしたちはひとつの場所に留まることを、そもそも許されていないからだ。流転する万物の中に、もれなくわたしもあなたも含まれている。だから、どんなに同じ場所に居たくても(同じことで悩んでいたくても)、同じ場所には居られなくなる(同じことで悩めなくなる)。だから、安心して悩めばいい。このことに気付いたら悩めなくなってしまったあなた!おめでとうございました。新しいあなたが始まります。大丈夫!あなたはまた、新しい何かについて悩むから。そしてその悩みもまた、必要な時間と体験と体感を履修したら、ちゃんと終わるから。

全て必要で起こっている。だから、わざわざ・・・・自分を責めたりしなくていい。あなたは今、それが本意でも不本意でも、あなたのしたいことをしている。自信を持って。

さて、わたしは読書に戻る。平野啓一郎さんの『本心』を読んでいたら、悩みについてのあれやこれやが自然と出てきたので出してしまわないと本が読めなくなったので、このnoteを書いた次第。タイトルは、この内容でnoteを書こうと思った瞬間に思い浮かんだイメージで、「なんかこういうタイトルの本なかったっけ?」と探してみたら実はそれは『落下する夕方』だった。わたしの中にでてきた『蛇行する夕方』とはまさに「悩みを悩み尽くす」という意思に溢れた闇を孕んだひかりの言葉だと感じた。



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