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映画「銀河鉄道の父」(成島出監督)声を出して笑おう!泣こう!銀河上映を観たよ。

 立川kino cinemaにて、声を出して笑ったり泣いたりしてもOKという上映回に行ってきた。監督の成島出さんの舞台挨拶もあった。 まず驚いたのは宮沢賢治のファンが沢山居るという事だ。

「宮沢賢治が好きで仕方なくて、今回は6回目です」
「菅田将暉さんのファンで、5回目です」という方も。

 私は予備知識無く観たが、宮沢賢治の父、政次郎の愛情の深さに感動して涙する場面が沢山あった。あんなに自分の子どもに対して真正面から向き合って、ぶつかってやり合って、でもちゃんと相手を見ているという感覚は確かに賢治の中にはそれが残っている。だから創作も続けられたし、農作業についても精を出せたのだと思う。

 凄く好きな場面があって(ここからはネタバレ)賢治が「自分の書いた作品はまるで自分の子どものようです」と言うのだが、それを受けて政次郎が「ああ、そうか、だから私は賢治の作品が好きなんだなぁ。賢治にとって作品が子どもなら、私にとっては孫だものなぁ」と、嬉々として言う場面は本当に感動して、息をするタイミングが分からなくなるくらいに泣いた。自分の子どもが身を削りながら生み出した作品を、「だから好きなんだな」と言ってくれる親としての愛情が溢れ出ている場面で、こんなにまるごと全肯定して貰えたら、賢治も自分の道を模索しながらも頑張れただろうなと、色々な背景も浮かんできて、更に泣けた。

 最後のほうで、賢治が実家で療養中、息も絶え絶えなくらいに衰弱している時に、畑が干からびてしまいどうしたら良いだろうという相談をしに水澤紳吾さん扮する農夫が賢治に相談に来る。水澤さんの「もう、このままだと家族全員死ぬ事になる」という切迫した雰囲気がとんでもなく出ていて、畑のその後が気になって仕方なくなった。

 監督にサインを書いて頂いている時に「あの畑はどうなったのでしょうか…それが気になってしまって…」と思わず言うと、「大丈夫ですよ、ちゃんと水がひかれて潤いましたからね〜」と、お医者さんが患者さんに言うように安心させてくれた。

 「おかわり銀河」する人が沢山居る理由が観に行く事でよくわかった。普段人よりもうるさめに泣いてしまうので、あまり気にせず泣けて良かった。

 池谷のぶえさんのコミカルさも、序盤の印象的な場面として記憶に残った。


おかわり銀河沢山居るみたいです

 

 

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