進捗報告を使って新作予告をしよう
新作の予告で情報のチラ見せをすると受け手の期待感を高めることができて、ひいてはそれが宣伝になるんじゃないかな!?
せっかく予告するなら、それを進捗報告でしようぜ! ただの予告だけじゃなくて内容チラ見せもしようぜ!
そんなお話です。
予告での情報チラ見せは人を引き付けるのか
これはYESであると考えています。
「何か新作を作成している」「新作の内容はこのようなものである」という情報を断片的に得られることで、それがすべてそろった時、公開された時は一体どれだけ面白いものが提供されるのだろう、という期待感が生み出されます。
自分がどういうものをイメージしているかというのをざっくり話すと、新作アニメや映画、新作ゲームのトレーラー映像などが順次公開されるアレです。『劇場版公開決定!鋭意製作中→今度の舞台は○○!→誰々が大変なことに!?→公開!』みたいなやつですね。
情報が公開されるたびに期待感が高まり、その期待感を引き連れて新作に相対するわけですから、そりゃあわくわくしないはずがありません。
趣味で創作活動をしているものが、予告を出すことの難しさ
あくまでこれは自分の話ではあるのですが、自分はこういった作品を予告するのが苦手でした。
なぜならまとまって安定した活動時間を取ることが難しく、完成予定や進捗ペースがまったく見えないものだったからです。
極端に言うなら『昨日まで無だったところから、今日いきなり新作が上がって公開される』という状況もありえるという話でした。
ちょっと進んだから予告出しておこう、とするとそこから向こう数か月進捗が無いです、となった場合に、予告した内容が忘れられてしまい効果が薄まるのではないかという懸念もあるわけで。
いきなりドンと完成品が出ることと、予告を経てから完成品が出る事
結果として自分はいきなりドンと完成品を出すことが常だったのですが、これは予告を経てから出すことに対して
「突然0から100の情報を持つ新作が公開されたため、ちょっと腰を据えて確認しに行く必要がある/少しずつ情報をかみ砕く必要があるので摂取が遅れる」
というデメリットがあります。
言い換えれば、この反対のことが予告を経てからの公開をすることによるメリットになるということです。
「0の状態から10~20ずつ情報が公開され、最終的に100になった新作が公開されるため、確認するのもある程度気楽に行ける」
ということですね。
つまり、予告を出すことのメリットは大きく以下の2点です。
【周知期間の確保と期待感の向上】少しずつ情報を開示することで、長いスパンで新作の情報を周知することができ、期待感を高めることができる
【公開された新作へのアプローチ負荷の軽減】公開される新作に対し、事前情報を周知させておくことで、出てきた新作の情報を噛み砕く手間と気合の負担を減らし、気軽に手に取ってもらえるようになる
進捗報告を使って新作予告をしよう
さて、どうやって予告を出せばいいのか。
その回答として今回は「それまで書いた進捗から、おすすめポイントを抽出して公開する」をご用意しました。
どのタイミングで予告をするのか
自分が考えついたのは以下の3点です。
特定の期間/期日を設け、そのタイミングで必ず進捗と新作のおすすめポイントを公開する
ある程度の進捗が出たところで、そこまでの進捗の中からおすすめポイントを公開する
作品が全部完成した後、すぐに公開せず少しずつ情報を小出しにする
特定の期間/期日に進捗報告・予告
例えば毎週土曜22時とか、毎月15日と月末、とか、毎月1日とかの日程を決め、進捗があろうがなかろうが必ずそこで進捗報告をするというものです。
期日設定が間接的な締切として働くため、締切に追われたほうが活動しやすい人は活動ペースを維持しやすくなる
進捗が無くても「進捗ありません」を報告する心の強さや、常に締切(周囲の目)に追われ続ける負荷に耐える強さが必要
定期報告になるのでレア感は薄いが、定着すると定期的な情報発信の場として役立つし、認知度も維持しやすい。
常に進捗が出せるようになると「仕事が出来る人」としての認識も付与されて先につながる可能性がある
ある程度の進捗が出たところで進捗報告・予告
最もシンプルに、書いたら書いた日に書いたところまでで進捗とオススメポイントを公開するというものです。
進捗報告はランダムな日、ランダムな量になる。出す側は気楽。
既に書く内容が決まってあとは書くだけという状況では特に問題なく報告できるが、書いてる最中に何らかの理由(自信が無くなる、もっと面白い展開を思いついた、など)で進捗をひっくり返す可能性がある場合においそれと報告・予告できない
書いている端から何らかの反応を貰えるため、需要確認やモチベーションの維持に繋がる
作品完成後に情報を小出しにして予告
もう既に手元では完成させておいて、その中から少しずつ情報を小出しにしていくというものです。進捗報告というより完全に予告だけのパターン。
既に完成しているので「予告しておきながらエタる」可能性が限りなく0になる
全体像があるので、どこなら見せてよいか/見せてはいけないかの判断が容易であり、効果的な情報公開ができる
作品が完成するまでは内々での作業になるため、モチベーションの維持は工夫が必要になる
で、どれが良いの
個人のスタンスに合わせて選べばよいと思います。ここに挙げたのは一例なので他の方法もあるかもしれません。
自分は、
締切がある方が筆が進みやすい
かといって定期報告をするほど速筆ではない
趣味レベルではあるので常に締切に追われる負荷は追いたくない
生粋のプロッターなので、以下の強みを持つ
作品のプロットさえできれば本編は手を動かすだけで済む
本編に起こしたプロットの分量で進捗が可視化しやすい
プロットは出来ているので、見せたい/見せたくない情報の取捨選択も本編執筆中に可能
作品が完成したらすぐ公開したくなっちゃう
以上の点から、今回は【ある程度の進捗が出たところで進捗報告・予告】を選択しました。
実際にやってみた
この度、新作台本『三大お嬢様の回転寿司タイム』を公開しました。
こちらの作品を公開するにあたり、ためしに情報小出しにしながら進捗報告をしてみる実験を実施しました。
1.あらかじめプロットは完成させておく
プロッターたるものここからスタートですので、あらかじめプロットは完成させておきます。
プロットが完成したということは本編が始まるという事で、まず「新作が出るんだな!?」という情報を出したということです。
特に通常ツイートと変わらず、0イイネ0RTでした。
2.ちょっと進捗を進めつつ、登場人物の紹介(かつメイン情報ではない所)を見せる
もうこの時点でプロット書いてから本編書くまでに2週間の間があるのですが、そこは気にしない方向にしましょう。(単純に忙しかった)
「プロット消化率」を付与することで、今どれぐらい進んでいるのか、あとどれぐらいで完成するのか、というのを示しつつ、今回の話の雰囲気がどういうものなのかと登場人物の公開をしました。
普段よりそこそこ多めのインプレッション、およびいいねと引用RTを1件ずつ頂きましたが、してくれた方は本作の協力者であり、あらかじめプロットを公開していたのでどういう話かを認識されていた方になります。ありがとうございます。
進捗報告という表示をせずに新たな情報公開をしたりもしました。
3.進捗を進めつつ、今回のメインポイントを紹介
ある程度進んで公開も見えてきたところで、メインとなる情報である「この作品は三大お嬢様のお話である」ことの情報公開をしました。
本作「三大お嬢様の回転寿司タイム」は、既に公開されている作品「三大お嬢様の親睦カフェタイム」のシリーズ作品となります。上記の3キャラは前作からも登場している、いわゆる「三大お嬢様シリーズ」の看板キャラになります。
三大お嬢様の親睦カフェタイム、ありがたいことに自作の中では評判の良い作品であり、最近手に取ってくれて応援してくれる方も増えたことで、この情報はホットになると判断しての公開でした。
6RT9イイネを頂き、インプレッションもグンと上がりました。『続編であること』に対する期待感のある反応も頂けました。
4.完成したので公開
一応「もうすぐ公開するよ!」という予告を付けたうえで公開しました。
ポジティブな反応のRTやいいねを多く貰い、誠にありがとうございます。楽しみにしています。
予告宣伝効果、あったと思う?
マジでわかんねえやコレ
今回については「(作者の中では)人気作のシリーズであったこと」が完全に後押しになっている可能性はあるとみています。
ただいきなり公開することでびっくりさせるより、予告を出して段階を踏ませたことによる効果はあったのではないかなあとは思います。
2.の段階でほとんど反応が無かったところを見るに、完全新作ではもしかしてあまり効果がないのではないか……?という不安もあったりしますが、そこは完全新作を公開するときにも予告を挟んで反応の様子を見ていくのが良いかなと思います。
たぶん今までみたいにいきなり新作ドン!よりは宣伝としても良いと思うの……
まとめ
新作をいきなりドンと出すより、予告をしてから公開した方が宣伝にもなるし手にも取ってもらいやすいかも!
予告は進捗報告を兼ねてモチベーションの維持とかにも活用してしまおう!自分がやってみたときは、実際こんな感じでした!
というお話をしました。
実際自分はまだ始めたばかりなので効果の実感はないですが、もし新作の宣伝とかに悩んでいる方が居れば予告から勝負していくという手を取ってみるのも良いのではないでしょうか。
おまけ
前作『三大お嬢様の親睦カフェタイム』もよろしくね!