SF小説『三体』を読んで

三体 感想。

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あらすじ

 ナノテク素材の研究者「ワン・ミャオ」はとある会議に召集された。そこで彼は世界中の著名な科学者たちが自ら命を絶っていることを聞かされる。さらにその原因は、いまだかつてない巨大な敵からの攻撃だというのだ。
 その敵と深く繋がる「科学フロンティア」というコミュニティへの潜入を要請された彼を待っていたのは、自分にしか見えないカウントダウンに付きまとわれる怪現象(ゴーストカウントダウン)と『三体』と名付けられたVRゲームだった。
『三体』の真実、巨大な敵の正体、過去からの因縁、すべてが明らかになる時、世界は一変する。

 おっもしろかった!
 なかなかの分厚さで、正直なところ興味本位で手を出して失敗したかなーと思ったんですが、読み始めると『三体』の世界に引き込まれて、ぐんぐん読み進めることができました。さすがに一気読みとはいかず、数日に分けて読みましたが、途中で失速することなく、読書の時間を意識的に作るくらいとても面白い物語です。
 SFを読んでいると、知らない技術用語、数式なんかがでてきて、なんだかわからないがすごいな!と思うことがよくあって、ちょこっと調べたりもするんですけど、だいたいはそのまま勢いで読んでしまうんですよね。
(もちろん用語とか数式とか調べた方がより面白くなると思います)
 この『三体』もそういうところが何度もあるんですけど、この作品は、
なんだかわからないがすごい→その結果がこちらです。
 の見せ方がすごく上手いような気がしました。結果の書き方が丁寧なので、結果から逆算して知識のないこちらでもなんとなーく理解できて、納得して次に進めるんです。
 これは元々の文章からそうなっているのかな。それを日本語に移し替えた翻訳の力はやっぱりすごいです。原文が持つ言葉の流れやそれによって生み出される推進力の勢いを殺すことなく、読者に届ける。この『三体』という作品を読んでからそういった翻訳の力をすごく意識するようになりました。
 あと!細かいことをごちゃごちゃ言ってしまいましたけれど!推しキャラが1人でもできると、内容が難しくてもなんてことなくなるよ!私の推しキャラは史強(シー・チアン)主人公が所属するチームの同僚の警察官。口も態度も悪いが強い信念と生き方を持った強烈なキャラクター。『三体』の中でも彼だけ別作品の登場人物じゃないかってぐらいの存在感の男です。ニックネームは大史(ダーシー。史兄貴)だよ。史アニキ……アニキのおかげで物語は希望を持った終わりかたできたよ……
『三体』これで三部作の第一部だというんだから困ったものです!次が楽しみだなあ…
ハヤカワのブランドでTシャツもでている。買おうかなあ。

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