親や会社の同僚には内緒で「古見さんは、コミュ症です。」を読んでいる人の早口。

「古見さんは、コミュ症です。」は、
 ものすごい美人だけれどもコミュニケーションがとても苦手な女子高生の古見さんと、そんな古見さんと友達になったTHE平均男子だけれど人の気持ちを察するのが得意な只野くんの日常を描くほのぼのコメディー漫画です。ご存知の方もいるかと思いますが、これ、いい漫画なんすよ。ほのぼの日常漫画かと思わせつつ、ラブコメの波動もひしひしと感じさせてくれましてね……次々と登場する個性豊かなクラスメイトの面々、そんな彼らと古見さんとの交流、古見さんの成長、そしてゆっくりだけれど確実に変化していく古見さんと只野くんの関係性などなど、見どころ満載!語りたいその魅力!
 ですが、今回はただただ私のここ好きポイントだけを話しますね。今の私の生活では、誰にも、誰とも「古見さんは、コミュ症です。」の話をする機会はないので、話しますね。それはね、おうちでの古見さんのエピソードです。具体的に話数で言うと49話です。この漫画の話数の数え方で言うとコミュ49の「暑い日です」です。夏休みのとある暑い日の古見さんを描いた日常回ですね。最初から最後まで古見さん一家のみが登場する番外編のようなエピソードですが、普段見れない古見さんの姿が見れるとても大好きなお話なのです。
 まずは素の古見さんの可愛らしさですよ。古見さんはすれ違った人が全員振り返るような美人さんでしてね、凛としたクールビューティーのような見た目なのですが、この回の古見さんはほぼほぼデフォルメ古見さん。大きなおめめだけが強調され、顔から口と鼻が消え去ってしまったデフォルメ古見さんなのです。私はこの、漫画ならではの表現といいますか、キャラクターの身長や見た目を自由自在に変化するのが好きなんですよ。スラムダンクとか封神演義とか、あの、サンデーの漫画の話してるのに、ジャンプの漫画で例えるの最高にずのうしすう低いと思うんですけれど、言わんとしてることは何とか伝わるんじゃないかと思います。
 そんなデフォルメ古見さんが何をするのかと言えば、居間でゴロゴロしたり、バランスボールしたり、ソファに寝転がってテレビ見たり……とまさにその名に偽りなしの日常回。その様子が実に自然で、読んでいてホッとするんですね。私がいきなり49話の話からし始めちゃったから、ちょっとおかしな感じするかもしれないんですけれど、1話、コミュ1から読んでいるとほぅっと息をつけるんですよ。なぜなら古見さんってほとんど筆談で話すキャラクターなんですね。緊張して上手く話せないからノートに書いて、会話をするんです。黒髪のちょっと近寄りがたいタイプの美人で話すときはだいたい筆談。すごく「漫画」じゃないですか。すごく「漫画のキャラクター」じゃないですか。でもね、この49話を読むと「あ、古見さんって家だとそんな感じなんだー」ってなんだかちょっと距離が近くなるような気がするんです。もちろん古見さんは『古見さんは、コミュ症です。」って「漫画」の「キャラクター」ってことに変わりはないんですよ。お話と現実を混同してはいけませんよ。でも不思議と、私たち読者の世界との重なりみたいなものを感じたのです。
 だからなのか、49話の古見さんは一人の女の子の古見さんとして描かれているように見えます。お母さんから「暇ならお手伝いしてー?」と言われ、聞こえなかったふりをしたり、「暇なら散歩してきたらー?」と言われ「や!」と力強く目力で答えたり(ここ好き)いきなり弟の部屋に飛び込んだかと思えば(ここの「ガチャー!」って擬音好き)ベットにダイブし、漫画を借りて、満足げに出ていったり、と自由自在に動いております。そらそうだよね、休みだし、じぶんちだしね。そんな自由な古見さんが見れて、なんだか私はとても幸せな気持ちになったのでした。ちなみにこの話のオチはテレビ番組でつくねの作り方を見た古見さんが、デフォルメ状態から急に元の姿へ戻り(でも一瞬だけ。ここも好き)つくねを作り、それを家族みんなで食べて終わります(最後に家族が古見さんに向かってサムズアップして終わる。好き)最高だね。このときのつくねがすごい美味しそうだし、レシピも載っているので『古見さんは、コミュ症です。』には興味ないけれどつくね好きって人にもおススメです。
 そもそも私は古見家がむちゃくちゃ好きでねえ。そのほかにもお父さんと服を買いに行く回、弟とクリスマスプレゼントを買いに行く回もいいぞ。みんな読もう。よかったら、読もう。
 早口、聞いてくれて、読んでくれて、ありがとうございました。


のび。

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