美容室ではスタイリストとアシスタントにわかれそれぞれがそれぞれの仕事をプロフェッショナルにこなす事を求められる。
うちのサロンではカットする人とカラーする人がわかれる分業制で行い、カッターサイドとカラーサイドでアシスタントの配置も分かれている。
カラーリスト1人に1人のメインアシスタントがつき、カラー塗布、カラーシャンプー、パーマの中和、ストレートパーマのアイロンがけ、トリートメント施術、仕上げのドライなどをサポートする。
カラーリストもそれぞれが仕事のすすめ方も違うため、メインとしてつくアシスタントはカラーリストの仕事のすすめ方、塗り方、巻き方をそばで見て覚えカラーリストが今何を欲しくて、どうしたいのかを瞬時に見抜いて先に行動をする事が求められる。
2,3ヶ月ともに仕事をすると、今コレが欲しいというものが手元に届くようになる。相手の事をおもんばかる美容師とは何とも大変な仕事だ。
前置きはこの辺にして,最近おもしろい事を聞いた。おもしろいと行っても爆笑できるほどの事ではなく、人に言われて自分はそういう風に言われていたんだという発見である。
パーマの巻きをしていて、1年目のアシスタントがヘルプについてくれた。1年目の割に、率先してはいってくる積極的なアシスタントだ。ヘルプの仕方も結構前のめりで自分の手元まで、ロットやペーパーを渡してくれる。これまでヘルプされた中で、良くも悪くも食い気味に来るヘルプだった。
パーマ放置中での会話。
「のぶさん(自分)、ヘルプのしかた、大丈夫でしたか?」
「結構、今までにないくらい、ぐいぐいくるヘルプだったね。良かったよ」
「ありがとうございます。のぶさんのヘルプは難しいて聞いていたんで」
「………。 ん、難しい?」
「はい、先輩が言っていました。」
「………。」
そうか、そんなんだ、アシスタントの中では難しいという位置づけになっていたのか。
エミさん(先輩カラーリスト)は、何とかしてくれるから大丈夫。👉どんな意味なんだ!
マイさん(後輩カラーリスト)はわかりやすいから落ち着いて渡せば大丈夫。👉まあ、そうだよね。
なんていう情報がアシスタントの間では伝えられているのだ。普段は聞けないことだから面白く聞くことができる。
ただ、自分に対しての難しいというのは何なのだ。
ロットを巻きつける際に、時間を数秒でも短縮する為にロットとペーパーを同時にもらうようにする。それに合わせてアシスタントはケースから取り出し渡さなければならない。それが当然だと思っていた事が、アシスタントの間では難しいと捉えられていたのか。
ペーパーをもらう、髪の毛を包む、ロットをもらう、巻き込む、ゴムをもらいロットにかける。
この段階のなかで、ペーパーとロットを同時にもらうという行為がアシスタント間で難しいとされていた。
むしろ、早くてシンプルでやりやすいと自分では思っていたという勘違いみたいなものと、1年目が難しいと教えられ、食い気味にヘルプしていたという事実とのギャップが、改めておもんばかる気づきとしての面白さがあった。
自分も4年間のアシスタント経験があるので,ヘルプするという事は今でも自信を持ってできると言える。そしてアシスタントのヘルプに対する温度感も伝わってくる。隣でヘルプされるだけで,その時のコンディションを肌でも感じる。
相手が何を考え、何をすべきかを判断し、動く。考えるのと同じくらいのスピードで手が動く、その判断力からの運動神経は日々の鍛錬で鍛えられ、そしてお客様への気遣いや気づきへとつながる。
スタイリストへ気を使う事ではなくお客様第一に気を使う事が優先とされるが,鍛錬の段階としては,日々時間をともにするサロンワークの中で気づくチカラを身につけていると思う。
だがしかし、
難しいと言われようが、
ヘルプしづらいと言われようが、
自分のやり方は貫くと改めて思う今日この頃。
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