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記録の為の旅行記〜果てしなく続く砂漠へ6

さあ、バスに乗りメルズーガまで行こう。

そう思い、ミントティを飲み干しフェズ新市街のバスターミナルへ行くことにした。

ハキムがいるかいないかは半信半疑だったが、日本人的にはあんな口約束でメルズーガまでタダでガイドしようなんていう暇な人はいないであろうという了簡でいた。

ハキムは、午前中にバスターミナルへきた時に声をかけられ砂漠までガイドをしてやろうというモロッコ人だ。ただただ怪しい。


タクシーをおり、バスターミナルに入り階段を上がると簡易的な待合所にハキムは座っておりこちらを見ていた。笑っているかいないかぐらいの微笑みをこちらにむけている。さすがにここまできて、これはもう逃れられない状況だ。むしろ、この根性というか執着心みたいなものは意外と好きである。

だけど、まだわからなかった。どうしてハキムがボランティアのごとくガイドを願い出てくるのか。確実に言えた事は、その時の自分にはガイド料を払えるほどのお金は持ち合わせていなかった事だ。

バスは出発した。隣に座る必要がないくらい余裕のある車内だったので、1人ゆったりと座る。ハキムは通路挟んで反対側に座る。断り続けていたくせに、どこか頼っていた自分もいた。何時にこのバスは目的地に着くのか、はたしてバスが着くところは砂漠なのか、何もかも把握せずなにいた自分は、ハキムをあてにしてしまっているずるい日本人だった。


途中休憩をはさみつつバスは走り続け、朝方ある街についた。その街の名前は覚えていないが朝早かったせいか、人はいないし活気もないように見えた。ここから、タクシーに乗るらしい。バス停のタクシー乗り場には観光客に取り入ろうとするツアードライバーがたくさんいて、声をかけてくる。ハキムは相手にするなといい、タクシーめがけて小走りで歩き出した。ハキムがいなければ,確実にこの金額の高いツアーに申し込んでいたかもしれない。

タクシーの中でハキムが指さした。

何だろうと思い窓の外を見ると遠くに砂漠が見えた。



これが砂漠の始まりか…。と

砂漠の始まりについては考えた事がなかった。これまで見てきた砂漠にまつわる写真や、映画、映像などは全て既に砂漠の中にいる絵ばかりだったから,砂漠に始まりがあるという認識を持ち合わせていなかった自分にはとても感動的だった。何枚も写真を撮ったのを覚えている。


ていうか砂漠へ行くには10日以上必要と旅の教科書には書いてあったが、

3日目で砂漠に到着してしまった。


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一人旅での教訓

1, 断ったはずのガイドをたよりにしない。

2, 砂漠の始まりは突如として現れる。

3,旅の教科書は真に受けない。

いつか書いておきたいと思いつつ、ほったらかしにしていた案件を少しずつ書いていくというnote記録です。

気の向くままに、
少しずつ
砂漠までの道のりを記していきます。

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