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読みたい事を、書けばいい。

1度読んだ本をあまり読み返す事はないけど、「書く事とは」を見直す意味でこの本を読み返した。この本は自分に書く事への挑戦を後押ししてくれた本だ。仕事柄テキストを書くという事は本業ではないが、でも書く事はある。アカデミーで配るコラムやサロンのブログなど。書くという事が苦痛ではなく楽しいと思えるからこうやって学びたいと思うし、上手になりたいとも思う。おそらくこの本は、書く事が本業の方にとっては書く事がどういう事かという本質について書いてある為、「はっ!」とするのだろうが,書く事が素人の自分としてはいいと思えるところだけをいいとこ取りできるので,オススメです。

「読みたい事を、書けばいい」 田中泰延 著 P230より引用


もちろん他にもたくさんいいこと書いてあるんだけど、今朝偶然開いたページで「なるほどな〜」と思えるところがあったからnoteしている。

【貨幣と言語は同じ物】
①決済手段としての機能
②価値尺度としての機能
③価値貯蔵手段としての機能

今回書き留めておきたいポイントは③です。

③価値貯蔵手段としての機能
つまり言葉は貯めておく事ができる。歴史上の記録も、個人の記憶も残す事ができ、しまっておける。たまたま見かけた情景も、その時湧いた感情も、思想を述べる論理構成も、政治に影響を与える為の演説も、全て「もっておいて使いたい時に使える」のである。
これら3つの特徴を見ると言葉をうまく使ってヒトを掌握する人と、お金をうまく使ってお金持ちになる人、両者はツールとしての使い方がそっくりである事がわかる。
大切な事は、経済も、言葉も、ゼロサムゲームではないという事だ。先程、「価値を手に入れたい時、人は犠牲を払う」と書いたが、等価で交換できると踏むから、経済では「おかね」を払い、コミュニケーションのやり取りでは、相手も役立てる事ができる「ことば」を相手に返すことになる。
言葉とは相手の利益になる使い方をすれば、相手の持ち物も増え、自分の持ち物も増える道具なのだ。書いたら減るのではない。増えるのである。
その事を忘れずに、流通させ、交換させられれば、書き手は価値のある言葉を手に入れられる事になるだろう

※ゼロサムゲーム:ゲーム理論と呼ばれる経済理論です。 参加者の得点と失点の総和(サム)がゼロになるゲームを指します。

お金と言葉のつながり、意味、共通点がとても明快で腑に落ちたところ。自分の中で,言葉の持つ可能性みたいなものが何なのかということを良く考えていた。誰かの文章を読む、スピーチを聴く、プレゼンを視聴する、落語を聴く、文章や言葉で刺激を受け心が動かされ、メンタルにもフィジカルに響いてくるその感覚は人間の本質的なところなのかなと思う。本を読んで感動したり、悲しんだり、切なくなったり、楽しくなったり、いろんな事を想像できる事は、人としての幸福感なのかなと。

言葉という魅力を強く感じ初めてのは落語を聞くようになってからかな。噺家さんが、話と身振り手振りでで聴く人を引き込んでいく芸。「落語でしょう、昔おじいちゃん聴いてたな」というのは、もはや自分が10年前くらいの通説。今や、落語はアニメやドラマでも多くの人の側にある時代になった。だから、より言葉で世界を感じる事ができる機会も増えたのではないか。その魅力に自分もとりつかれ、暇さえあれば聴いているときもあった。

落語はハナシとして発する物ではあるが,文章は書く事である。読む事書く事で世界をつくっていける事に今は魅力を感じる。

この本に書いてある、「書く事は自由で減る物ではなく増える」ということ、読み手にとっても自分にとっても利益のある、徳のあることを書いていければと思った。noteで書き続けるしかない。

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