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美容師の日常のこと

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髪の毛のことが日々、気になります。
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2021年4月の記事一覧

人の気配、残像、景色に色を足す〜③

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  コロナ禍で、これまでの日常は変化した。  誰もいない街、誰もいない駅のホーム、だれもいない公園はどこか色褪せ、グレーな世界に潜り込んでしまったように感じた。  それは写真のモノクロの世界ではなく、ほんのり色味を感じるほどの色褪せた世界だ。そんな中全ての人が国内に留まり、日本を出ることができていない。まだ1年とわ

人の気配、残像、景色に色を足す〜②

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。2600文字くらいあるので、3回に分けます。 ですので、よろしければ①からお願いします。 ✴︎✴︎✴︎  東京に出てきて美容室に勤め、絵画を見に行くようになった。それは色への欲求が幼少期の反動のように出てきたものだと自分では正当化しているが、それはただの詭弁である。  反動なんてたいそうなものではなく、ただ単純に興味関心が出ただけだ。色に突き動かされてしまっていた。人間、

人の気配、残像、景色に色を足す〜①

カラーリストになるということ、 なったことで変わったこと、 そして最近感じることを書いてみました。 全部で2600文字くらいあって長く感じてしまいそうなので3回に分けます。 ✴︎✴︎✴︎  全てがグレーだったあの頃、赤色を選ぶという選択肢すら持ち合わせていなかった。    色を感じたという記憶をたどるとそんなに思い出せない。記憶の中にカラフルが存在しなければ、配色という言葉もない。なぜならば幼少期から十代の頃、色を意識して生活はしていなかったし、色に触れるのは小・中学校

ファインダー越しに見る空気感。

LEICA M10出動。 背景とモデルさんの距離感によって、背景のボケ具合が変わる。 ファインダーを覗き、「もう一歩前へ」、 シャッターをきり、「もう一歩前へ」、 ガラスから3歩程動いてもらった瞬間にシャッターをきる。 たまにピントが合っていない写真が いいムードをつくってくれるような瞬間もあったりして、 まあ好みなのだろうけど。 縦位置でピントを合わせることの難しいこと、 一度横に合わせて、縦に持ち替えるみたいな作業が必要だと気づかされたりして。 たまたまいい

カラーリストとして期待値を超える事。

美容師なので時には美容師らしい記事も書きます。見ていただく方の参考になればと思います。 ここ一年くらいカラーもパーマもされていなかったお客様、 今日は明るいオレンジにしつつ、パーマをかけたい。 しかもしっかりとしたパーマを。 髪の毛の状態は健康。ハリコシのある髪質だし、これはいけるかも。けしてのりで「いけるかも」と算段をしているわけではなく、いろんな状況を踏まえつつ「できる」と判断する。 「いけるかも」の「かも」にはやはり不安、心配というものがつきまとうからだ。明る