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『箱庭の巡礼者たち』恒川光太郎(著)

洪水で流れ着いた黒い箱は不思議な別世界と繋がっていた。王族が圧政を敷き、竜が生まれ、吸血鬼が人知れず夜を歩く、そんな「箱庭世界」の観察が少年・内野聖の青春だった。ある日、恋人の絵影久美が箱の中に行くと言い出す。二度と戻れないとしても、箱の外から見ていた自分にしかできないことを果たすために。ただ箱を見つめるだけだった二人の人生は、箱の中と外で目まぐるしく変わり始める(「箱の中の王国」)。時を越える時計、超強力な接着剤、意思を持った機械、そして不死の薬。異能の道具が紡ぐ一繋ぎの連作集。

ゆるく繋がってるファンタジー短編集。恒川光太郎なので、いつホラーになるかとドキドキしたが、最後までファンタジー100%。作者インタビューによると、たまたまそんな気分だったそうな(笑)

しかし最後の世界、二度と出られないっぽいし、強制リセットかかるしで、『驚愕の曠野』みがあってちょっと怖い。
箱庭の箱はタイトルにもなってるが、存在感がかなり薄いので、ラストに再登場してほしかったな。

お話は、中世風の世界が見える箱だったり、時間を進めることができる銀時計だったり、不思議道具がモチーフ。舞台は日本だったり異世界だったり様々。異世界は階段降りたら別の異世界と繋がっていたりして面白い。そんな世界が、キャラの再登場でちょっと繋がりにやっとしてしまう。

一番好きなのはAI。お友達AIから、まさかの進化でびっくり。どこまでゆくのか気になる。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #ファンタジー

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