『星霊の艦隊1』山口優(著)
AIとの百合SF。そして戦記モノ。
ブラックホールを使った量子コンピュータAIが人となり、人権を求め戦ってゆく。光速の数万倍のスピードで、さらに複数の次元も自由に行き来するドッグファイトが見どころ。その戦闘機が美少女に変身したりもする。アニメのノベライズっぽい一冊。
人類が銀河中に広がっている未来のお話で、科学技術はかなり極まっており、ブラックホールも完全に制御して、量子コンピュータとして使っており、そこで動くAIは物理法則を自由に書き換えられるレベルに達してる。人間は性転換はもちろん、不老不死も実現している。(等々の説明が本書の半分を占めてる)
この本が凄いのは、この超AIが美少女になってるところ。登場人物も95%女。これが好きかどうかで本書の評価が真逆に変わってくる。
私はAIが人間に興味持つはずねーだろ派なので、かなりもにょっとした。人類に興味ないAIは別銀河に飛び立ったという一文があったが、納得しかない。
人間の文明が技術に反比例して進んでおらず昭和レベル。AIの人権を認める認めないで争っている。両陣営AIが超光速で戦っており、全部AIまかせなので、正直、人間要る? という感じ。指揮官は人間だが、采配が凄いわけでもなく…。正直、アニメチックな美少女戦闘と設定しか見どころがなかった。
米村孝一郎の絵に惹かれ手に取ったのだが、氏は星界の紋章の連載を終えたばかりなので、この本も当然星界の紋章と比べてしまう。すると、キャラやお話の薄っぺらさが悪目立ちする。もっとアニメ寄りの絵描きにすればよかったのに、と思わずにおれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?