『無貌の神』恒川光太郎(著)
古い順に読んでいて、最近はあんまり好みじゃないな…という気持ちだったのだが、これは初期に近く、ホラー寄りでかなり好み。それでいて史実を取り込む最近のやり方と合わさっており、進歩を感じる。
掲題作『無貌の神』の世界観はお見事で、不気味ながらも、自分も行って食べてみたいと思わされる。でも行きたくないかな(笑)
『カイムルとラートリー』はほのぼの枠。異形が純真なのはずるいよねぇ。ラストも卑怯としかいえない。作者の「お前らこういうの好きだろ?」というニヤニヤが見えるよう。大好物です。
しかし一番好きなのは、『死神と旅する女』。流されるしかない哀しさがなんとも言えない。覆せる力を持ってるだけにやきもきしてしまう匙加減が絶妙。
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