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『無貌の神』恒川光太郎(著)

この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人のための暗黒童話全六篇!

古い順に読んでいて、最近はあんまり好みじゃないな…という気持ちだったのだが、これは初期に近く、ホラー寄りでかなり好み。それでいて史実を取り込む最近のやり方と合わさっており、進歩を感じる。

掲題作『無貌の神』の世界観はお見事で、不気味ながらも、自分も行って食べてみたいと思わされる。でも行きたくないかな(笑)

『カイムルとラートリー』はほのぼの枠。異形が純真なのはずるいよねぇ。ラストも卑怯としかいえない。作者の「お前らこういうの好きだろ?」というニヤニヤが見えるよう。大好物です。

しかし一番好きなのは、『死神と旅する女』。流されるしかない哀しさがなんとも言えない。覆せる力を持ってるだけにやきもきしてしまう匙加減が絶妙。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #ホラー

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