『約束の果て 黒と紫の国』高丘哲次(著)
神代から始まる淡いラブストーリー。人ではない精霊のような存在がまだいる時代の中華風ファンタジー。
序盤、表紙のイメージ同様、少女漫画的展開で読者の心を掴む。そして中盤からキメラアント編が始まり、めちゃくちゃ驚かされた衝撃の一冊。終盤はAKIRA(というか鉄雄)だし。
壙という国の成り立ちと終焉、2つの時代のお話が交互に語られ、それぞれのボーイ・ミーツ・ガールが描かれる。その二つが絡み合い、収束する展開には舌を巻いた。伏線とトリックが美しい。
骨子が素晴らしいだけに、日本人の登場が無駄でしかなかったり、戦争描写がチープだったりするのが惜しいなぁ。
しかし日本ファンタジーノベル大賞にふさわしい一冊。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?