『時が新しかったころ』ロバート・F・ヤング(著)中村融(訳)
白亜紀後期の地層から人間の化石が発見された。調査のため、7千万年の時を超えて調査員が派遣されたが、そこで彼が出会ったのはふたりの子供だった。しかも彼らは火星の王女と王子で、誘拐されて地球に来たのだという。ふたりをトリケラトプスそっくりに擬装した大型武装タイム・マシンに収容したとたん、三機のプテラノドン型飛翔艇が来襲し…ロマンティック時間SF長編!
時の娘に入っていた中編の長編化。大筋は同じだが、設定、展開がちょっと変わってる。それ以上に説明が増えている感じ。もっと冒険部分を増やしてほしかっただけに、やや残念。とはいえ、ピンチ度合いは増しており、主人公が愛されるだけの理由になっている。
しかし正直、短編のほうが面白い。短編が90点、本作が75点くらい。ヒキ、タメなどの演出が長編には要るよね、と痛感する。
クー、廃墟、隠者など、短編にない要素が追加されてはいるが、主筋にたいして影響がないのでもったいない。しかし隠者の行く末を考えると笑えて仕方ないのは最高。
しかし個人的に一番残念なのは、ヒロインが上司から食料調達係に変更になってる点。言わぬが花だったマシュマロの真相が随分チープになってしまった。ここは本気で心底残念。
また、訳者あとがきが、時の娘の使いまわしなのだが、本編以上に使いまわしてて笑えた。
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