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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(著)

人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校に通い始めたぼく。人種差別丸出しの移民の子、アフリカからきたばかりの少女やジェンダーに悩むサッカー小僧……。まるで世界の縮図のようなこの学校では、いろいろあって当たり前、でも、みんなぼくの大切な友だちなんだ――。優等生のぼくとパンクな母ちゃんは、ともに考え、ともに悩み、毎日を乗り越えていく。最後はホロリと涙のこぼれる感動のリアルストーリー。

イギリスでの子育て随筆。本場の日本人差別はどんなものかな?と期待して読んだが、チンク呼び程度で、たいした差別エピソードはない。内容の殆どがイギリス内の分断のお話。富裕層と貧困・移民層の静かで確固たる二極化がリアルに、かつ、面白おかしく語られる。そりゃベストセラーになるなと納得の一冊。

息子が通う元底辺中学が舞台で、そこでさまざまなエピソードが紹介されるが、どれも面白くて驚く。一番面白かったのは水泳大会のお話で、珍しくスカッとする。貧困層でも輝く才能があれば一矢報いれる、というのは古今東西好かれるテーマだろう。今後分断が進むに連れ、裕福な有利がより広がるから、こういうお話も減るのかなとも思えるが、より求められそう。

二位は作者がポリコレ地雷を踏み抜く話。詳細は省くが、「お休みはどこか行かれるんですか?」も聞けない世界って凄いね。日本でも多様性とかジェンダーとか流行っているが、このエピソードに比べたらごっこ遊びにしか見えない。

これは続編も読まねば。

しかしそれにしても息子が良い子過ぎる。自分の反抗期時代を思い出して死にそうになる。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #エッセイ

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