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『金色機械』恒川光太郎(著)

触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、幼き日に犯した罪を贖おうとするかのように必死に悪を糺す同心、人々の哀しい運命が、謎の存在・金色様を介して交錯する。人にとって善とは何か、悪とは何か。 

恒川光太郎の書くスター・ウォーズ外伝! と言いたくなるほど金色様の造形がC-3POで笑ってしまう。

お話は時代小説で、異能を持つ二人(嘘や殺気が見える人、さわるだけで生き物を殺せる人)のお話。それぞれの過去がかたられる。それですでに十分面白いのだが、その二人の過去に共通して現れる全身金色の不気味な動く人形「金色様」の異物感が凄まじく、こいつが何者なのか気になって仕方がない。

金色様の過去話もあり、それが母としてスタートしてるので、またも衝撃が深まりますます楽しい。

3者の人生が絡み合い、一本のお話になり、最期の復讐へとつながっていく様はなかなかのカタルシスがあった。

ただ、最期の展開は微妙かな。道を知ってる金色様がいる以上、熊に案内させる必要がないので、無理矢理感が否めない。熊の異能の特に活躍しないし、もう一捻りほしかった。

#読書感想 #読了 #ネタバレ #ファンタジー

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