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『世界史を大きく動かした植物』稲垣栄洋(著)

一粒の小麦から文明が生まれ、茶の魔力がアヘン戦争を起こした――。人類は植物を栽培することによって農耕をはじめ、その技術は文明を生みだした。作物の栽培は、食糧と富を生み出し、やがては国を生み出した。人々は富を奪い合って争い合い、戦争の引き金にもなった。歴史は、人々の営みによって紡がれてきたが、その営みに植物は欠くことができない。人類の歴史の影には、常に植物の存在があったのだ(本書の「はじめに」より)。

1ページで3回は「へぇ~」と唸る素晴らしい蘊蓄本。

堅苦しい本かと思いきや、面白エピソードの連続で非常に楽しい。

読む前の予想は、芥子などドス黒い植物モノを予想していたが、イネとかジャガイモといった、至極まっとうな内容だった。植物ネタより歴史ネタの方が多いかな。

ジャガイモの章だけでも、これなければ欧米の畜産産業は無かったとか、マリーアントワネットがその花を愛したとか、宗教裁判にかけられ性的に不純という判決をうけ火あぶりにされる(イモが)、等々最高であった。

ちなみにトマトも裁判にかけられており、アメリカの最高裁まで行って笑えた。

馴染み深いイネも、何もわかってなかったと思い知る。以前『美しき小さな雑草の花図鑑』を読んだ際、ススキの葉はガラスで刃の様になっているのを知ってもへぇ~で終わり何も考えていなかったが、イネ科のそれがそれを食べる動物に与える影響が本書で語られており目から鱗。

トウモロコシの話も最高だし、全編全部面白い。素晴らしい蘊蓄が多すぎるのでメモも追いつかない。何度も読みたい一冊。

#読書感想 #読了 #ネタバレ   #稲垣栄洋

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