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2021年12月の記事一覧

『バーナード嬢曰く。第6巻』施川ユウキ(著)

安定の面白さ。今回は本の内容がどうこうというより、皆のやりとりがメイン。いつになく繊細で青春寄りかな。 青春で思い出したが、遠藤はさわ子が好きだし、長谷川は遠藤が好きだったはず。そのあたり完全に放置だが(最近神林との友情に力が入ってる)、文化史のくだり、長谷川の策略だったのかなと邪推してしまった。 とはいえ、本の含蓄も素晴らしく、知ってるネタが殆どなかった。もうこの子達、日本の読書家上位0.1%に居るのは間違いない。完全に格上。なので笑うと失礼になるような気すらしてくる。

『ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー』マーサ・ウェルズ(著)中原尚哉(訳)

弊機シリーズ第2段。今度は長編で抜群の読み応え! 相変わらず弊機は可愛いのだが、ARTの可愛さ(ヤンデレ)が上回った一冊。 今度はメンサーの娘を含む調査団の護衛をしていた弊機だが、帰り道謎の集団の襲撃を受け拉致されてしまう。そしてそこで目の当たりにするのは変わり果てたARTの姿で…。人間やARTを守るため弊機が奔走する! 一冊を通して謎の襲撃者たちとの攻防、由来の調査などミステリ要素高め。なんとか凌いでいくのだが、人間達が有能だし(誤解はするが)、敵の弱さにだいぶ救われて

『スタープレイヤー』恒川光太郎(著)

異世界に飛ばされるが10個願いが叶う、というなろう系ファンタジーを、ホラーファンタジー作家の恒川光太郎が描く。大人げない怪作。 世界観は、レベルやスキル、魔法やダンジョンなどがあるゲーム世界ではなく、割と普通に文明が発達してないだけの人間が暮らす世界。この世界にいきなり主人公が放り込まれ、混乱しながら生活してゆく様子が描かれる。なので宮部みゆきのブレイブ・ストーリー(これも極めて大人げない)に似てるが結構違う。 望みが10個叶うのだが、まず衣食住をなんとかしたりで数個消費