映画『CATS』感想

日本公開は先月だったが、いろいろ忙しくて先ほどようやく観てきた。
確かに変わった作品だし、一般的な大衆向け映画と同様に観るとびっくりすると思うし、もう少しの工夫で良くなったのではないかと思うところもあったが、前評判ほど酷くはないと思った。舞台版が好きな人なら楽しめる部分もあると思う。

CATSを映画化するという話を初めて聞いたのは数年前だった気がする。よく覚えてはいないが、私はそのとき、リアル猫(っぽいCG)でやるのかなと思った。この間のライオンキング超実写版みたいに。それは映画でしかできない表現だし、今でもちょっと観てみたい気がするのだが、あまり面白くはないのだろうなとも思う。スキンブルシャンクスってどんな猫だろう、絶対可愛いだろう、なんならマキャヴィティだって可愛いだろう、と。

しかし、今作は人間が猫を演じるという舞台的な表現を敢えてそのまま用いている。映画ではどうしても違和感があるし、それはたぶんCGで完全に解決できる話ではない。

私は観るまで、なぜ製作者がそんな舞台でしか許されないような気がする方法を取ったのかわからなかったのだが、観ていてその理由に思い当たった気がする。

それは、猫たちが歌い踊るということ、そしてその猫たちを人間が演じているということがCATSというコンテンツの軸だということなのではないかということだ。映画版CATSの根本にその意識があるような気がしたのだ。

つまるところ、CATSの観客は、人間が演じるたくさんの躍り狂う猫たちを観に行く。そこは外せない。だからこそそこに登場する猫たちは私たちによく似ていて、一匹一匹が誇り高く尊厳ある生き物なのだという最後のメッセージが生きてくるという気がする。その舞台版のエッセンスを失わせないために、その表現方法を取らなければならなかったのかなという気がする。

とはいえ、もう少し顔とか身体とかどうにかならんかったかなあという気はする。服着てるのと着てないのがいるのは舞台版もそうなのだが、映画版では着てない違和感が非常に目立つ。もう割り切って全員服着た方がよかったのではと思う。服着てるミストフェリーズとかガスとかバストファージョーンズとかは結構印象よかった気がするし。舞台版では「(猫が服を)着てない」とはいえ役者は猫皮的な衣装を着ているのに対し、映画版ではCG処理のせいで「裸」感が際立つのかなあ。あと顔面もうちょっと猫っぽく加工しよ。

演技でいうと、イアン・マッケランのガスとジェニファー・ハドソンのグリザベラが良かった。デュトロノミーが女性なのはびっくりしたけど、すごく良い改変だったと思う。

演出でいうと、「猫からのごあいさつ」の演出が一番面白かった。カメラ目線の効果的な使用。第四の壁の破壊。ここでこの映画が一番言いたいこと、「猫には敬意を持って接しましょう」という観客へのメッセージがダイレクトに伝えられるのだ。
ガス〜スキンブルシャンクスは舞台をそのまま使うのは手抜きでは?という気もしたけど、まあそういう作品だからどうしようもないよね……

私がCATSで一番好きなのは、音楽と歌、詩の美しさで、舞台には行けずともCDをひたすら聴いていた時期もある。本当に歌が、曲と詩が良いのだ。今作では短く編集されていた曲もあったけど、概ね良さが活かされていてよかった。新曲はまだピンときてないけど、何度か聴いたら良いと思うかも。

原作が小説ではなく詩集で、ストーリーはめちゃくちゃと言っていい作品なので、映画にするのがそもそも難しいし、合わない人は合わないと思う。でも気になったらみんな観に行ってみてほしいなーという気持ち。案外ハマるかもよ。

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