コデラ的経営者論
知財、IT産業、ネット、放送、買ったもの、ライフハックなど、コデラの気になるところを語ります。
筆者が2019年に宮崎へ転居することになったそもそもの理由は、義兄が経営する会社を継いでくれという話からだった。1年の間、業務内容の理解と共に経営の勉強をしてきたわけである。小さい会社では社員間との距離が近く、個人と会社との線引きが難しいという特徴がある。これについて色々と学ぶ事も多かったが、結果的にその話は諸処の理由で頓挫したことで、この経験を生かすチャンスもなくなってしまった。
ただせっかく学んだ事をどこにも出さずに自分の頭の中に死蔵しておくのも勿体ないので、ここに記録として掲載しておくことにする。どなたかの参考になれば幸いだ。
■一点ものとパターンもの
これまで筆者は、テレビ番組編集者とライター業を経験してきた。編集者としては、最初は会社員で、のちにフリーランスだった。ライター業は最初からフリーランスであるが、これは近年では比較的珍しいパターンである。最初はどこかの出版社の編集者として就職し、編集の経験を積んでフリーライターになるというのが、今は一般的であろう。
テレビ番組も原稿書きも、世の中に1つしかないものを作る仕事である。毎回毎回条件が違うので、品質にはバラツキも生じるが、それをできるだけ最高水準に引き上げる作業は欠かせない。そこには、平均値に均す、という発想はない。1点ものなので、平均値が存在しないのだ。
またウケる・ウケないといった評価が毎回行なわれ、自分の労力とウケる度合いが比例しない、というかむしろ全然関係ないというところも、この業務の難しさであり、面白さでもある。
つまりこの業務は、非常に属人性が高い。人が変われば同じにはならない。
一方、会社組織というのは、一定の目的を達成することで利益を得るという、営利目的の集団である。従って行動は、いかに利益を上げるかに集約される。ある人が「会社は株主のためにある」と言ったが、それもひとつの真実である。
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