年長~小学生サッカーチームのチームビルディング
本日は、20名以上の少年サッカーチームの子どもたちに、チームビルディングのプログラムを行いました。
一番最初は、大きな模造紙に、自分の名前を書くところからスタートです。自分で模造紙に名前を書くというアクションから始めることで、一人一人がプログラムに参加するぞ!という気持ちを整えていきます。
よくワークショップでは、『チェックイン』なんて呼ばれていたりします。
最初はウォーミングアップから。誕生日順の並び替えを行い、みんなで一つのものを作っていく楽しさを感じていきます。
その上で、『前後左右』というプログラムを行いました。
これは、大きな円になり、「前」「後ろ」「右」「左」と言いながら、一斉にその方向にジャンプするアクティビティです。その後、言葉と反対の方にジャンプするなど、ひねりを加えていきます。
これは、みんなで声を出すこと、体を動かして気持ちを高めること、そして間違いを楽しめる雰囲気を作っていくための仕掛けを盛り込んだアクティビティです。
なので、敢えて僕が間違えている姿を見せることで、より間違えることに対してのハードルを下げていきます。
ここまでが前半です。挑戦に入るための準備として、空気づくりをするための様々な仕掛けを盛り込むことで、心と体をほぐしていきました。
そして、いよいよチャレンジタイム。チームで挑戦をしながら、成果を出していくためのアクティビティに挑戦です。
今回挑戦したのが、『サークル拍手』(名前を忘れたので勝手につけました笑)というアクティビティで、8人程度で円になって、全員で拍手をしていく時間を測っていきます。
自分で1回→両隣と1回→自分で2回→両隣と1回→自分で3回→両隣と1回→・・・→自分で5回→両隣と1回
というように、拍手の回数を1回から5回まで増やしていく時間を、いかに早くできるかというタイムトライアルです。
今回は人数も多かったので、年長~2年生で1チーム、3年生以上で2チームと分けて実施しました。
一番最初にまとまりが生まれたのが、年長~2年生のチームでした。驚きのまとまり具合です。上手く2年生の子がリーダーシップを発揮していましたね。
そして、3年生以上のチームは・・・?
1チームは頑張ろうとするもバラバラで全く合わず、もう1チームは真剣にやろうとする子と気持ちが他に向いている子が半々。
良いですね~
こういう状態から、子どもたちがどう成長していくのかというプロセスを作るのが楽しくて仕方がないんです(笑)
なので、それぞれのチームに対しての声掛けの方針としては、
年長~小2チームへは、「いいね!その調子!合ってきてるよ!」とプラスになる承認の声掛けをどんどん増やしていきます。
頑張っているけどバラバラの3年生以上のチームに対しては、一度、成功体験を自分たちで踏めるように関わっていきます。少し時間をおいてからタイムを計りに行くことで、最後まで成功できるタイミングで関わり、「お!いいね!みんなどこまで早くいけそう!?」と、より高い目標を意識できるような声掛けをしていきます。
そしてもう1チーム。実は、ここは一番学年の高い子が集まっているチームです。真剣に取り組もうとする子と、ふざける子が半々ぐらいな状態でした。
ある意味ここがチームビルディングとしての、最も重要なポイントかもしれません。その子たちがどうやって目標に向かって、自分たちで進めるようになるのかを、ファシリテーション(促進)していくのが僕の役割なんです。
なので、その様子を見ながら、内心では、「ふふふ」と、ほくそ笑んでいたりします。
「一回集まって~」と、その子たちを集めます。そして、円になって一緒に座った上で、子どもたちに問いかけていきます。問いかけることで自分たちで考える機会を作るんですね。そして、このタイミングが一番学びが生まれるタイミングでもあります。
「この活動って何のための活動だと思う?」
すると、、、子どもたちは、こんな風に答えました。
「絆を深めるため」「人と仲良くするため」「協力することを学ぶため」・・・
ふむふむ。なるほど。そこで見えてきたのは
どれも借りてきたような正解で、活動が自分事になっていなかったという点です。
協力とか、絆とか、正しい言葉ではあるものの、じゃあそれって何なの?という実体験と結びついていない感じが凄く伝わってくるんですね。
なので、アプローチとしては、活動を自分事に変えていくための視点を投げかけていきます。一番分かりやすく伝わるのが、サッカーに結びつけてあげることですね。
「ううん、違う。実はこれ全部、サッカーが上手くなるためにやっている活動なんだよ」
すると、「え?」とみんな虚を突かれたような表情を見せるんですね。
自分の関心とつながるスイッチがバチっと入った瞬間です。
なので、もう少し問いかけを具体的にしていきます。質問の仕方も、開けた質問から、具体的に2択で考えられるようなクローズドな質問へと切り替えていきます。
「例えば、試合中。シュートを外した時に、馬鹿野郎!って仲間から言われるのと、ドンマイ!次はいけるよ!って言われるチームだったらどっちの方が上手くなりそう?」
「え、ドンマイっていう方」
「そうだよね。毎回毎回、失敗したときにミスを怒られるチームで、もっと頑張ろうとはならないよね。それを作っていくのは、みんな一人一人なんだよ。全力で挑戦して、全力で達成して、みんなで喜べるようなチームにいたら、どんどんサッカーも上手くなりそうじゃない?」
「確かに」
「ちなみに、年長~小2のチームは、さっき10秒をクリアしていたけど、みんなはどこまでいけるかな~?」
ここから取り組み方がガラリと変わりました。
僕がしたことは、サッカーのどの部分に繋がっているのかを伝えたこと、そして、目安となる目標を伝えてあげたことです。
端的に言えば、僕がやったことは、自分事になるような問いかけ、そして目標設定のサポートの二つだけです。
たったこれだけで、子どもたちから物凄いエネルギーが生まれていきました。
どんどん声が大きくなり、目標に向かう意識が高まり、行動量が増え、もっと成長したいと思えるように変わっていくんです。
結果、一番最初、11秒だった、タイムは5.9秒まで上がりました。
そして面白いのが、場全体が目標に向かって動き始めると、呼応するように、他のチームも含めて、全てのメンバーが成長していくようになります。
年長~小2のチームは、6.3秒まで。
小3以上のチームは、5.9秒、6.5秒と、どんどん高まっていきました。
チーム全体が成長することで、個人のパフォーマンスがどんどん上がっていく。
これが、まさにチームビルディングの効果なんですね。
だから、上手くいっていない状態こそ、学びのチャンスなんです。
もしも、あそこで、「しっかりやれ!」と叱ったら、表面上では真面目に取り組んだかもしれませんが、自分たちでもっと成長しよう!と行動し続けることは、なかなか難しかったかもしれません。
最後は、本当に大きな熱気が生まれてましたね~
短い時間なので、そこまで深くは関われていませんが、少しでも子どもたちが自分たちで考え、リーダーシップを発揮し、成長していけるような考え方を学べる時間になっていれば嬉しいですね~★
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