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小説日記

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#短編小説

あのころ

あのころ

久し振りに自転車で用事を済ませに出かけた

途中に大きな陸橋がある

最初はゆるやかな上りだが進むにつれてちょっと気を抜くと止まってしまいそうな坂になっている

その上りのちょっと苦しい時に、ふと過去の事を思い出す

あの時も大きな陸橋だった

生活の為に子供達の為に必死だった

雨の日も風の日も雪の日も片道約1時間かけて歩いて職場まで通勤していた

雪の日の猛吹雪の時は大変だった
髪も凍りまつ毛

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不器用な一歩

不器用な一歩

⌜ありがとうございました⌟

そう頭を下げてお礼を言い大きなバックを持ってエレベーターで1階におりた。

とうとうこの日が来た

大きな不安を抱えながら時折、窓の外に目をやり出口までの通路は幾日とも思えた。

そして出口まで辿り着いた私は不器用な一歩を歩き始めた

取り敢えずバス停のベンチに座り込んだ。

ずっと病院に入院していた私は久し振りの外の空気だった。

退院したものの帰る家もなく行くあて

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借りぐらしのアリエッティ

借りぐらしのアリエッティ

大好きなジブリの「借りぐらしのアリエッティ」という映画を見てから私の部屋にももしかしたら小人が居るかもしれない居たらいいな友達になれるかもなんてありえないことを一人で勝手に想像していた。

そしてある日の夜、角砂糖一個を小さなお皿の上に置いてティッシュペーパーを一枚、四つ折りに畳んだのとミントの葉も一枚それらをテーブルの上に置いて眠りについた。

そうそう映画では高い所だと登るのが大変そうだったか

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