E資格の合格体験記
日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定するE資格 2023#1に合格しました。
合格率は72%でした。
ざっくり考えて、JDLA認定プログラムを修了し、受験申込みさえすれば10人に7人は合格できる計算であり、これだけ見ると狭き門ではありません。
一方、合格に必要な得点率ですが、これは公開されていないので分かりませんが、JDLAが公開しているデータから類推するに、60%は必要な印象です。
全部で約100問あるうち60問を正解するのには、JDLA認定プログラムを修了させただけでは難しいと思います。
それなりの受験対策が必要になります。
ここでは、E資格合格に向けた勉強方法についてご紹介したいと思います。
JDLA認定プログラムについて
E資格の受験資格を得るためには、JDLA認定のプログラムを受講し、修了する必要があります。
知らない方がこれだけを読むと、JDLA認定プログラムを受講することで、AIエンジニアに関する必要な知識やスキルが身につくように思えるかもしれません。
もちろん、実際に専門的知識や高いスキルを養えるプログラムも存在するかもしれませんが、少なくとも私が受講したプログラムはそうではありませんでした。
資料のない動画を視聴したうえで、最後に用意されたテストさえ合格すれば修了となったため、体系的な理解はできなくても、修了要件を満たすことができました。(しかも、動画は新シラバスに対応していない)
おそらく、多くのプログラムがそうなっていると思います。
したがって、JDLA認定プログラムだけでは全く不十分で、別途、勉強する必要があります。
勉強方法
徹底攻略ディープラーニングE資格エンジニア問題集 第2版(通称、黒本)を使って勉強しました。
毎朝、1時間、必ず机に向かい、ひたすら黒本を解くことで、機械学習・AIの体系的な理解を進めました。
勉強期間は2022年10月〜2023年2月までの5ヶ月間。この間に、黒本を計5周回しました。
勉強時間はトータルで130時間ぐらいになったと思います。
4周目ぐらいからは、エクセルを使って回答状況を管理し、どこが弱いかを見える化していきました。
勉強のポイント
朝の1時間以外は勉強しない
あまりダラダラ勉強するのが嫌いなので、朝の1時間以外は、E資格の勉強をしませんでした。
同時並行的に、経産省が主催する「マナビDXクエスト」に参加もしていたため、そんな時間を確保することも出来ませんでした。
ひたすら黒本をまわす
黒本を初見で解いた時、「めちゃくちゃ難しい!」と思いました。
ほとんどの問題で何を問われているのか理解できなかったし、解説を読んでも何が書いてあるのか分かりませんでした。
しかしながら、黒本を2周、3周と回していくうちに理解が進みました。難解だった解説も「良いこと書いてある」と思えるぐらいになります。
JDLA認定プログラムの修了テストも、黒本3周ぐらいすると楽々解けるレベルになっていました。
新シラバスで追加になった部分は力入れない
2023年2月時点で出版されている黒本(第2版)は新シラバスを完全にはカバーしていません。
したがって、新シラバスで追加になった試験範囲は、別の教材を使って勉強する必要がありましたが、私自身は、JDLA認定プログラムの教材を使ったぐらいで、わざわざ、論文を読むことなどはしませんでした。
理由は、論文を読んだだけでは、どこが試験に出やすいのかが不明確で、勉強の効率が極めて悪いと思ったからです。
それと、試験出題者側も市販の問題集が新シラバスをカバーしていないことは知っているはずであり、試験運営を考えたら、黒本に載っていない分野でトリッキーな問題は出してこないだろうとの読みがありました。
結果として、この読みは外れましたが、合格するだけなら黒本で十分だと思います。
試験を受けた感想
黒本5周も回していれば試験余裕だろうと甘く見ていましたが、大間違いでした。
予想に反して、新シラバスで追加になった範囲もガッツリ出題されたうえに、黒本でカバーしていた範囲の問題でも、かなり難しかった印象です。
試験に出題された項目
覚えている範囲では以下の通りです。
Pytorchの実装問題はほとんど出題されませんでした。
なお、1つの項目につき小問が3問ぐらいでるイメージです。
情報量
半教師あり学習
転移学習
次元の呪い
ホールドアウト法、K分割交差検証法
バギング、ブースティング、アンサンブル
計算グラフ
正則化
データ拡張(コード実装)
AdaGrad 、Adam
レイヤー正規化、インスタンス正規化、グループ正規化
Sequece to Sequenceのアーキテクチャ
YOLOのv1→v2、v3への進化過程(違い)
GPU
蒸留
新シラバス追加部分
A3C(アルゴリズム)
ResNetとWideResnet(アーキテクチャの違い)
FCOS
BERT、GPT-n
距離学習
Grad-Cam
chatGPTも活用したところ…..
新シラバスで追加になった部分は問題集がないため、chatGPTに試験問題を作らせたりもしました。
さいごに
G検定も取得済みですが、G検定を取得したレベルでは機械学習やAIの理解は道半ばでしたね。
E資格の学習を通じて、黒本を5周まわしたことで、機械学習やAIの理解が格段に進みました。
強化学習などはまだまだよく分かっていないところも多いですが、少なくとも、世の中でAIが語られる時、その背景にある理論などは頭にパッと思い浮かぶ感じです。
これからの時代、求められるスキルだと思いますので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
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