第十一章 復活③
今日は、美容外科へ行く予定だ。
あたしの頬の傷は、アザのように赤黒くなっている。
それを、現代の医療で治せるのだろうかと……レーザー治療を始める事にしたのだ。
一哉が紹介してくれた美容外科は、自由が丘にあった。
一ヶ月に一回。
三回ほど通えば、傷はほぼ消えるという事だった。
そんな言葉を医師から聞いた瞬間、本当に嬉しくて。
すぐさま、一哉に電話をかける。
「マジで?そっか、良かったね。梨紗」
一哉も、まるで自分の事のように喜んでくれた。
まあ、彼女が綺麗な事に越した事はないからね。
そして、新宿に着いてからアイフォンを見やると、不在着信が残っていた。
拓巳からだった。
拓巳に、電話をかけ直す。
「あ、梨紗?今から逢える?」
「……うん」
西新宿までポルシェで向かい、拓巳を拾ってから銀座へと走らせる。
イタリアンレストランへとやってきた。
「へえ!傷、三ヶ月で消えるんだ?!良かったね、おめでとう」
拓巳だって、喜んでくれる。
もしかしたら、三ヶ月後には……。
ブリリアントにだって、復活できるかもしれない。
それは、あたしにとっては本当に嬉しい事で。
一哉にも言われた事があるけれども……。
あたしも、自分にはキャバ嬢しかないと思っている。
この仕事が、天職だと思っている。
そして、HEARTYにだって戻れるかもしれない。
そう思うと、嬉しくてたまらなかった。
「車で来なきゃ良かった。お酒飲んでお祝いしたかったのになあ」
「そっか。帰り、オレが運転しようか?一緒に飲みたいけど、梨紗、ワイン飲んじゃいなよ!」
「本当?!」
拓巳の好意に甘える事にして、大好きな赤ワインを注文した。
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