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第六章 開始⑥

その日のスーパーライトの書き込みは……。

凄まじい事になっていた。

そして、あたしと一哉が一緒に帰った事。

そんな事までもが書きこまれているのだった。


今、一哉のベッドで眠っている。

二人して飲み過ぎて、せっかく一哉の部屋に来たはいいもののすぐにベッドに倒れ込んでしまった。

一哉は、隣でスヤスヤと眠っている。

綺麗な寝顔だ。

肌が白くて。

まつ毛が長くて。


眼が覚めたのは、既に夕方だった。

あたしは、仕事へ行く用意をしなければならない。

昨日は早退もして、今日も休む事なんてできない。


一哉を起こさないように、そっと部屋を出た。


今日は、高宮さんと同伴だ。

けれども、二日酔いで今も頭が痛いし、何かを口に入れる元気も出ない。

「高宮さん、お腹空いてないから喫茶店行かない?」

「え、いいけど……いいの?喫茶店なんかで」

「うん、今日はお茶したいの」


そうして、考える。

昨夜の事を。

夢のような一夜だったと思う。

ボトルには、当然TAXというものが付くわけで……。

結局、何百万無駄遣いをしたのだろうか。


安奈とバトッた事も、一哉と一緒に帰った事も、それら全てがまるで夢の世界で起きた出来事のように思えた。


「梨紗ちゃん?」

「あ、ごめんなさい」

いい加減、仕事モードに切り替えなくては。

けれども、先程から何度もあたしのアイフォンは震え続けている。

一哉からだ。

きっと、勝手に帰ってしまった事で何かを言ってくるのだろう。


「そろそろ、行こうか」


店へと向かう。

とりあえず、浜っちとよっちゃんに昨日の早退の件を謝罪した。

愛梨が、意味ありげにウインクをしてきた。

今日の帰りは、愛梨と語ろうかな。

けど、けれども……。


こんな日に限って、またまた意味不明なお客様方が来店しちゃうのだった。

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