見出し画像

『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本

京都文化博物館で開催の「シュルレアリスムと日本」展にいってきました。

ヨーロッパのシュルレアリスム絵画が好きなので日本のも見てみよう!と思ったのが行ったきっかけ。
ダリとかマグリットが好きで「シュルレアリスムとは何か」、みたいな本は読んだことありますがそれほど造詣は深くなく…。どちらかというとあの変わった雰囲気が好きなだけ、みたいなところはあるかもです。

日本絵画と欧州絵画の違い

全体を通してですが、日本のものは色使いがとにかく暗い。

なんで、、?と思ったんですが、ちょうど100年前ぐらいの作品ってことで戦前・戦時下だったからか。。と展示の解説文を色々読んで気づく。

困難な時代に描かれた絵画は、画家たちの切実な思いや思想がにじみ出たものへと変容し、戦後へと引き継がれていった。

https://artexhibition.jp/exhibitions/20231202-AEJ1727164/

こういうことも伝える展示だったんだな、、と。
入る前の、「不思議な絵画見れたらいいなあ~」っていう思いとは違う気持ちをお持ち帰りしてきました。

あと、ダリとかに見られた海のひらけた景色みたいな絵もなかったですね。
海岸と空がベースの作品が個人的に好なのですが、あまり日本のものには見られずでした。

海と空って心がどことなく爽快な時にしか描けない気がするんですが、これも戦時下っていうのが理由なのかな。。

吉井忠の『二つの営力・死と生と』(1938年)

https://artexhibition.jp/topics/20240111-AEJ1794487/

個人的にはこの作品が一番印象的。

吉井忠は欧州留学もしていたみたいです。
たしかに、この絵の雰囲気は欧州のシュルレアリスムっぽい、色使いが鮮やかめで、引き込まれるような空間と海の表現がある。一方で、日本の戦時下っぽいちょっと破滅的な描写も含まれている。

この、シュルレアリスムが誕生した欧州っぽい表現と、当時の日本らしい表現が混在している感じがすごくいいなって思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?